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【藤原さんの育児学 vol.7】藤原流“タイムアウト”~2才までは叱らない!?~

育児連載コラム教育

レインディア藤原さん
レインディア藤原さん

しつけは2才から? 藤原流タイムアウトの方法

夏休みが終わって早1ヶ月。子どもたちは運動会や文化祭と、慌ただしく秋を過ごしていますね。疲れが出てくるのか、毎年10月頃にしつけの相談が多く寄せられます。

近年増えているのが、「“保育園の先生から家でしっかり躾をしてください”と言われたのですが、どうしたらいいのでしょう?」という相談です。中には、「お子さんを叱っていますか? もっとちゃんと叱って、悪い事は悪いと教えてください。」など、叱る事を親に要請する話も聞きます。

今回は、躾(しつけ)についてお話したいと思います。

アメリカなどでは、昔からタイムアウト法という躾方法があります。

ネットなどでも紹介されているこの方法は、1才半から5才頃の子どもには、危険な事などをした時に一度警告を伝え、その後同じ行動を繰り返したら年齢×1分を、椅子や部屋の隅で過ごさせ、脳をクールダウンさせるといった方法です。

例えば、2才の子どもがスプーンをママに投げた時、「スプーンを投げちゃダメ」と注意し、また繰り返すようなら少し離れた所で、椅子などに座らせて2分間ほど一人で叱られた理由を考えさえる、そしてハグして終わりというものです。

近年、このタイムアウト法は、高校や大学の部活動での指導、パワハラにならない教育法として青年や大人にも活用が広がっているようです。

母親にとってもイライラが増えていかないので、叱る事への罪悪感も少なく、比較的短時間でダメな事を子どもにインプットできるので効果的といわれています。

私がタイムアウト法を知ったのは15年ほど前ですが、実際に自分の育児環境で取り入れてみると難しさも感じます。そこで、記憶周期や感情の発達など、子どもの相互的な発達を組み入れた“藤原流タイムアウト法”を皆さまにご紹介したいと思います。

○対象は2才〜5才まで

○叱るか見守るか、その基準

○子どもの発語内容に合わせた指摘と親の演技

○タイムアウト時間は年齢の半分の分数

○迎えたときの対応

この5項目が基本です。細かく解説していきますね。


○対象は2才〜5才まで

 躾とは、その行動を繰り返さないための注意が目的ですが、そもそも2才前の子どもたちは、言われた文章を記憶して覚えておくことができません。自分に興味のある事柄は思い出せても、ママやパパ、保育園の先生に言われた事を思い出して自分の考えを変える事はできないのです。ですから、基本的に2才未満の子どもを叱る意味は全く無いと言えます。

逆に、1才代は叱られたとしても「ママが声かけてくれた」「これをさわればママが来る」と勘違いして繰り返す原因にもなるので、2才までは叱らないと覚えていてください。

 2才のお誕生日を迎える頃には、イヤイヤ期、第一反抗期、魔の2才児などと言われる自立心が育つ行動が出始めます。親の助けを拒み、自分でしたいとアピールして手が付けられなくなるのですが、躾はまだ早いです。

その後、弊社統計データの平均的には、男の子では2才2ヶ月頃に、女の子はもう少し早く2才頃になると全てがイヤイヤではなくなってきて、説明すれば考えを変えられるようになってきます。

そのサインは、高い所や大きな音などを怖がったり、ウンチを恥ずかしがって隠れてしたりといった行動が出てきます。そして、感情が細かく育ってきて、喜怒哀楽を感じられるようになってきます。

タイムアウト法を始めるのは、この頃からです。

 

○叱るか見守るか、その基準

 子どもの行動は、親から見ればいろいろと注意したい行動のオンパレードでしょう。しかし、そのほとんどは成長に必要な行動です。

例えば、人を噛んだり、食事中に食べ物で遊んだり、おもちゃを投げたりといった行動をみて、叱った経験のあるママやパパは多いのではないでしょうか。しかし、これらは叱るべき行動ではありません。

防衛本能からの行動や、形が変わったり味を感じたりする物を学んだり、腕全体を連携して動かす練習だったりします。また、2才にもなれば、保身からウソもつきはじめますが、これも3才半位までは叱ってはいけません。

叱る必要のある行動、それは怪我や命の危険がある行動を取ろうとしたときです。ガスコンロをさわろうとしたり、熱い鍋の周りで暴れたりした時には、注意する必要があるでしょう。

また、4才を超えてくると、悪いと分かっていて親を試すような行動や、調子に乗って危険な行動をしてしまう事が始まります。自分が感じている“善悪の基準”が、ほかの大人から見ても同じなのかを学ぶ行動なので、叱ってあげると安心する段階でもあります。

しかし、それらも5才を超えてくると行動が変わってきます。二面性が生まれ、演技することが始まるので、怒る人の前では叱られないように演技したり、教育ママの元でママに気に入られる自分を演じたりといった、頭で考えた自分と、心が表れる自分を作っていきます。

藤原流タイムアウト法の対象を5才までとするのは、ママやパパの前では甘えられて休める環境を作ってあげることが、家の外の社会で頑張るための重要な要素だと考えるからです。

 

○子どもの発語内容に合わせた指摘と親の演技

 躾をしないといけない行動が出た時は、まず、その月齢でどの程度のお喋りをしているかを見てあげましょう。

例えば「お茶飲みたい」「パパおかえり」など、2~3語程度でお話ができていたら、「包丁はダメ!」「危ないから手をつないで!」と同程度の文章で伝えましょう。

もし「包丁は手が切れて危ないからさわっちゃダメでしょ。痛い痛いになって病院行くのイヤでしょ。」などと文章で伝えても覚えられませんよね。

 2才代なら、喜怒哀楽の理解が始まったばかりなので、普段の会話の延長でぶつくさと注意しても意味がありません。鬼のお面を怖がるような行動が出てきたら、ママは役者になって鬼を演じて注意しましょう。叱る時には、怒気を含んだストレスの感情をぶつけるような叱り方は控えたいものです。

鬼が雷を落とすように、短く一文で叱り、それ以上は喋らず子どもの前から少し距離を離しましょう。

これがタイムアウト、ほかにもシンキングタイムとか、クールダウン、日本なら「ちょっとそこで反省しなさい」といった伝統の方法です。

 

○タイムアウトは年齢の半分の分数

 アメリカのタイムアウトは年齢x1分でしたが、これでは長すぎると考えています。

私は、息子と娘で実際にどの程度のタイムアウト時間で効果があるのか試してみました。すると、長くても年齢の半分の分数で十分である事が分かりました。

前出の鬼の演技で短く少し強く一言叱ったあとは、2才なら1分、5才なら2分半程度をひとりで「なぜ叱られたか、何を言われたか」という事を考える時間を与えれば、十分に叱られた理由を覚えてくれます。

では、逆に長く反省させたらどうなるかと言いますと、ほかの事に興味が移ったり、感情のコントロールができずに癇癪(かんしゃく)を起こしたりと、体罰につながるレベルの悪影響を感じる反応を示しました。

特に、娘が3才未満の時は、表情を読み取る能力の高い女の子なので、タイムアウトの時間は年齢の1/4程度でも多すぎると考えます。

 

○迎えたときの対応

 タイムアウト法の効果が出せるかどうかは、そのフォローの仕方にあります。

叱って、ひとりで考えさせたら、その後はちゃんと迎えに行って抱きしめてあげる事が大切です。感情が落ち着いたら、「ママがなぜ怒ったか分かる?」と質問してみましょう。「机の上に登ったから」などと応えられたら、「お皿が割れたり火傷したらイヤでしょ?」と細かな理由はこのときに伝えてあげましょう。

そして、一緒に遊んだり、フルーツ食べたりと気分転換してくださいね。くれぐれも、「ママに嫌われたかもしれない」などといった寂しい気持ちを抱かせないようにしてください。


さて、今回のお話はちょっと読んだだけでは分かりにくかったかもしれませんね。

ひと言に、躾、叱る、怒る、注意する等と言っても、月齢や発達段階で細かく対応は違います。

このコラムでは、スペースの関係でお伝えできる程度にまとめましたが、躾でお悩みの方はお気軽にご相談頂ければと思います。

 

※子どもの成長は個人差が何ヶ月もあります。上記の月齢などはあくまで弊社データからの参考としてみてください。

レインディア藤原さん

Reindeer 代表取締役社長

レインディア藤原さん

北欧インテリアショップ『reindeer』、木のおもちゃのレンタルプログラム「もくレン」などを運営。中海テレビ「県議熱中討論」コーディネーター、よなご宇沢会幹事も務める。幼稚園や保育園、市町村の子育て支援センターなどで育児講演を行う。乳幼児の育児相談から不登校問題もお気軽にどうぞ! いつも作りかけのお店は正に秘密基地、まずは自分でするのが藤原流であり、北欧から学んだこと。お喋り大好きな二児の父です。

【HP】:http://reindeer.co.jp/