【保存版】赤ちゃんのハイハイが必要な理由。元気な子どもに育つために

レインディア藤原さん
レインディア藤原さん

1才ごろから始まる「赤ちゃんのハイハイ」が持つ重要な役割を解説

■藤原さんの育児学Vol.93■

みなさんこんにちは。レインディアの藤原です。

米子市岡成に、子育て学習センター『コーセリ』がオープンし、多くの赤ちゃん連れの親子の来場いただいています。どのお子さんもカワイイのですが、私がおもしろいと感じる月齢が1才~1才3ヶ月ごろのお子さん。

なぜかと言えば、1才ごろは多くの赤ちゃんがハイハイ→ヨチヨチ歩きに変わるころ。そして、1才1~2ヶ月ごろに男女の遊び方に差が出てきます。1才3ヶ月ごろには「脅かすと笑う」という不思議な行動があり、成長が目に見えて変化してくる段階だからです。

今回は、この1才ごろに出てくる、「ハイハイ」についてお話したいと思います。

ハイハイは1才ころから。焦って「早くハイハイさせよう」は禁物です

「ハイハイをしっかり長くした方がいい」、そう聞いたことはありませんか?

では、なぜハイハイが大事なのでしょう?

インターネットなどの情報では、腕の筋肉を鍛えてケガをしないためとか、背筋を鍛えるとか、昔は畳でハイハイする環境があったなど、様々な情報が並んでいます。ですが、ハイハイにはもっと、もっと重要な役割があります。

多くの赤ちゃんを見ていると、《ずり這い→ハイハイ》に移行する子もいれば、《ずり這い→ひとり立っち→伝い歩き→ハイハイ》に移行する子もいます。

人類の進化過程では、ずり這いから四足歩行のハイハイ、その後に二足歩行に移行するように思われますが、子どもの発達はちょっと違うんですね。

では、ハイハイが始まるころの赤ちゃんの身体は、どのような発達段階なのでしょう。

ハイハイをするにの必要な成長の条件はいくつかありますが、まずは「脳の身体全体への神経支配」が必要です。

赤ちゃんは、生まれた時には手や足を思い通りに動かせません。というのも、脳がまだ自分の手や身体を支配してコントロールできていないんです。

ママに抱っこされたり、服を着せられたり。沐浴されるなどの刺激によって皮膚や身体の神経回路が構築されていきます。

赤ちゃんの表情を見ると、生まれて数ヶ月のころに首元をさわると反応し始め、月齢が進むにつれてそれがお腹やお尻、太もも、足裏へと触られて笑顔になる部位が広がっていきます。

その中でハイハイは、太ももくらいの神経支配が広がってきたころからスタート。

また、このころには、脳の容量が頭蓋骨内部に拡大。

それまでは、頭蓋骨に対して脳の容量が小さく浮いている状態。揺さぶり症候群など、脳が揺れる事の危険があるため、1才未満のチャイルドシートの角度が寝た状態であるのは、脳が揺れないようにするためでもあります。

1才ごろになってくると、頭蓋骨と脳の間の隙間が減り、脳が大きく揺れにくくなってきます。ハイハイからお座りに体制を変えたり、立っちや伝い歩きからハイハイの姿勢に変わったりする際、脳が安定しているから姿勢制御ができます。

このようなことから、赤ちゃんの成長を急がせようと、大人がハイハイを急ぎ、無理にハイハイを促そうとするのには危険が伴うことが分かります。

そして、もうひとつ成長に欠かせない大切な感覚器官が「三半規管」。

お座りで後ろに倒れないようにしたり、立っちやハイハイ時にも頭の角度や向きがどうなっているのか脳へ情報を送っていたり。三半規管はバランス感覚を司ります。

ゆりかごやバウンサーなどは、赤ちゃんが喜ぶので三半規管が育つのに、適度な刺激となっているようですが、これも月齢が早ければいいワケではなく、成長段階に応じた使用が大事でしょう。

このように、ハイハイは早くすればいいワケではなく、《身体の成長に合わせたタイミングを見守る》必要があるんですね。

「ハイハイ」と「立っち」の期間をしっかりと長くとろう

ハイハイが始まると今度は「長くハイハイをした方がいい?」、「速く歩いた方がいい?」といった疑問も。私は、歩くのは急がせず、ハイハイと立っちの期間をしっかりと長く取った方が良いと考えます。

それは、身体の部位の中で、もっとも重たい頭部の重心を定めるため。

脳の神経支配が足裏の隅々まで進むと、足の裏をコチョコチョすると笑うように。すなわち、この段階にくれば、指先からかかとまで力を入れて踏ん張れるようになってきます。

しかし、歩行器で体重を支えて足の指先だけで地面を蹴る、手押し車に寄りかかって前に進んでいては、重心が足の指先の方にのってしまいます。早く歩かせようと、自然界にはないモノを使う事で、立つ時に重心の位置がずれている子どもさんを見る事がしばしば・・・。

骨や筋力をはじめとした身体の成長を待たずに、急いだ結果、O脚や内股になってしまったり、じっと立って居られずに歩き回ってしまったり。それらは頭部の重心位置に関係している可能性があります。

ハイハイをする時には、四足歩行で頭を上げなければ前が見えませんよね。視点を変えればこの時、《重たい頭部を支える筋肉や骨格を育てている》とも考えられます。

ハイハイに慣れてくると、どんどん高速ハイハイになっていきます。手や足を総合的・連携的にコントロールする中で、例えば立った時に腕でバランスをとれたり、段差を上る・下る時に腕で支えながら足に力を入れたりといった、身体全体のコントロール力を鍛えているワケです。

ハイハイ期は育児疲れも多い時期。周りのサポートも重要なポイント

ハイハイをしっかりする事で、転びにくくなったり、歩き回らない子になったり、骨格や筋力のバランス良い成長に繋がったりするのでしょう。

大切な意味を持つハイハイですが、見ていてもかわいく長くして欲しいと感じても、その期間は数週間とか長くても数ヶ月。赤ちゃんがハイハイしていたら、一緒について回って、しっかりハイハイ期間を楽しみましょう。

ハイハイが始まると、行動範囲が広がり、目が離せなくなってきて、育児が大変になってきます。平均的な発達では、夜泣きや後追い期の後、だいたい1才前後にハイハイ期が来ます。

そのため、ハイハイを楽しむ精神的な余裕がなくなっているママも多いので、パパや周りのご家族がしっかりとハイハイへの対応をしてあげましょう。

ハイハイへの対応は、赤ちゃんが口にしてはいけないゴミや小さなモノを先回りして取っておいたり、段差を移動するときに落ちてしまわないように見守ったり。あと、テーブルなどを片付けてハイハイをしやすいように環境整備してあげましょう。

危険だからと、ベビーサークルの中に入れっぱなしとか、階段などの段差に近づけないのではなく、赤ちゃんが動きたい気持ちを叶えて上げる事も大切。

お家でハイハイできる環境がなければ、ぜひ大山麓の子育て学習センター『コーセリ』へお越しください。

自然に囲まれた古民家を改装した『コーセリ』では、広く静かな空間で、たくさんのおもちゃとふれ合いながら、育児の相談や子どもの遊びを促せますよ。

私が開催する育児の勉強会もありますので、ワンランク上の育児を学びたい方は、そちらもチェックしてみてくださいね。お待ちしています!

※掲載の情報は、記事公開時点の内容です。
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この記事を書いた人
レインディア藤原さん

Reindeer 代表取締役社長

レインディア藤原さん

北欧インテリアショップ『reindeer』、木のおもちゃのレンタルプログラム「もくレン」などを運営。中海テレビ「県議熱中討論」コーディネーター、よなご宇沢会幹事も務める。幼稚園や保育園、市町村の子育て支援センターなどで育児講演を行う。乳幼児の育児相談から不登校問題もお気軽にどうぞ! いつも作りかけのお店はまさに秘密基地、まずは自分でするのが藤原流であり、北欧から学んだこと。お喋り大好きな二児の父です。

最近では、米子市岡成で子育て支援プロジェクト『コーセリ』の代表理事を務めています。私は子どもが生まれる前の妊娠期から、子育てや子どもの発達について学びながら準備をしていくことが、子育ての不安を減らすうえで大切と考えています。そのような視点から、子育て世代の親を対象としたセミナーを企画・開催しています。また、子どもと一緒に参加できる体験教室やイベントなども行っています。

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