中2娘が2週間も学校に行かない。理由は?どうしたらいい?【本当にあった育児相談Q&A】

レインディア藤原さん
レインディア藤原さん

中学2年生になった娘が不登校に。原因は?どう接したらいい?

■藤原さんの育児学Vol.119■

こんにちは。レインディアの藤原です。

先日、娘の小学校の参観日へ。最近は本当にパパの参加が増えていますね。とはいえ、パパ同士はママのように声を掛け合うこともなく、静かにたたずむのみ(笑)。

授業中、娘は一度も後ろを振り返らず、背中で頑張っているアピールしてくれてます。思い返せば、お兄ちゃんも決して後ろを見ない子でしたから、遺伝なのか私の存在感(プレッシャー?)が強いのか・・・。自分がどうだったかは、昔過ぎて忘れましたが「親が学校に来る」のは何とも言えない緊張感がありますよね。

さて、今回のコラムも当コラムに寄せられた相談に対するお返事です。

〜相談内容〜

(13才10ヶ月・女子のママさんから)

2週間前から学校へ行っていない、みなさんから連絡がきてもほとんど無視。

去年末にスマートフォンを購入してから夜中までゲームをやるか、音楽を聞いたりして朝は起きられない。最近は人との交流もしたくない、人と約束をしても守らない、家から出たくない。

中学2年生で第二反抗期か、ほかに発達障がいか。どうすれば良いか、分からなくて藤原様の記事を読んで連絡しました。

内面もグングン成長する時期。心の修復を見守ってあげましょう

成長には個人差がありますので、発達が平均的な成長段階としてお答えさせていただきますね。

まず、学校からの連絡を無視していて、家から出たくないのは、何か人間関係でイヤな事があったのかもしれませんね。縁を切りたいと思っているのかも。

これは、自分の身を守るための防衛本能からの行動の可能性もあります。この年齢では、周りが言わなくても「学校に行かないといけない」と、頭では考えているハズ。ですので、周りが「早く学校に行きなさい」と言うのは、プレッシャーを与えるだけで意味がありません。

まだ学校を休み始めて2週間との事なので、傷を癒やしている段階。ここでの対応を間違うと、不登校にまっしぐらになりかねないので、今はしっかり心の修復を見守ってあげましょう。

行動の内容などから、第二反抗期の中期に差し掛かっている感じを受けます。発達障がいと世間で言われるような、ほかの原因が隠れているかもしれませんが、だとしても子どもを疑ってはいけません。

チョウチョで言えばサナギの段階。殻にこもって、外界をシャットダウンしている行動と思って見てみましょう。サナギは次なる羽ばたきに向け、内部ではしっかりとグングン成長中。この年齢は、自分の変化に戸惑いながらも、頭では追いつけないほどに体は細胞が活発に入れ替わっています。

周りから見ると、何が起こったか分からず、覗いてみたくなると思いますが、チョウチョのサナギを切り開いてはいけないように、今の娘さんの行動に対して、無理矢理外の光を当てることは禁物。

夜中までゲームをしたり、音楽を聞いたりして朝起きられない、「スマートフォンを与えなかったら良かった」と考えるのは時期尚早。スマホのお陰で、思春期のホルモンバランスの変化の意味の分からない辛さを耐えているのだと考えてみてください。

【関連コラム】中学生時代の魔の第二反抗期。対処方法や乗り越え方の秘訣-前編

娘さんが今、必要としているのは「自分が何をしても信じてくれる存在」

私の過去のコラムで、「反抗期は失敗から学べる時期」、「失敗がトラウマにならない時期」とお伝えしました。今の段階で、人との交流をしなくても、約束を守らなくて人から悪い印象を持たれたとしても、第二反抗期を過ぎれば、必ずまた人と交流を持ち始めます。

娘さんを信じてあげられるかどうか、試されているのは、むしろご家族の方だと思います。

娘さんを一番知っているのがお母さん、だからこそ、今の行動が心配で心配でたまらない、その気持ちも良く分かります。学校に行けていない理由を、スマホや人間関係に求められるかもしれませんが、原因を絶ったところで改善しません。

今、娘さんにとって一番必要なのは、「自分が何をしても信じてくれる存在」。夜中まで起きていることやスマホをかまっていることを、「自分の身体の変化に耐えて頑張っているのだ。」と捉えてあげてください。

男の子では声変わりやニキビ、女の子もニキビや肌の問題、月経や異性への興味。さらには、同性へのライバル心などが成長ホルモンの影響で現れ、何もしなくても年を取る過程の避けては通れない身体が疲れる出来事。

娘さんは何ひとつ悪いことをしていません。今の自分の身体の成長と、戦うだけで精一杯なのです。

今は、社会の常識や正義を教え込む段階ではありません。自分自身の内的な気持ちの整理が大切な時期。今が、自分という人間とは、どんな存在なのかを頭で考えようとしてる段階なのです。

第二反抗期の娘と、どう付き合えばいいのか?

では、この段階の娘さんと、どう付き合えばいいのでしょう。

第二反抗期、すなわち親や大人の意見に反発したい時期ですので、親が何を言っても逆効果。言葉ばかりでなく、過保護な行動も反発を生みます。

まずは、生きるために必要な食事、衛生面のお風呂やシャワーなどを欠かさず用意してあげましょう。身体が汚くなると、心も汚れていると錯覚する年齢なので、家族が先に寝室に入るなどして、気兼ねなくお風呂に入れるようにしてあげてください。

また、女の子は自分を一番に見てくれる存在が必要。お母さんが悩み、娘さんの言葉よりも不登校の専門家を名乗る人の言葉に傾聴してしまうと、お母さんの言葉が届かなくなってしまいます。私へ相談していただいていて何ですが、優先順位は私のアドバイスよりも娘さんが発した言葉。

娘さんがどうしたいのか、正解・不正解ではなく、その要望を受け入れてあげましょう。ただし、悪意ある要望を言ってきた時には、きちんと注意する事が必要。賢い子は大人との駆け引きを挑んできますので、子どもの悪意に付き合ってはいけません。

そのうえで、期限を決める、というか目標を設定しましょう。

今の時期なら例えば6月中は休み、7月から学校と連絡をとってみる。夏休みが終わるまではしっかり休んで、夏休み明けから復帰できるように計画を立てるとか。

その目標を達成できなくても問題にしてはいけません。そもそも目標は、達成させるために作るのではなく、過去ばかり見ないように、前を向かせるための手段。ですので、ディズニーランドや海外旅行など、先の計画で未来志向になれるなら、目標は何でもOK。

そうやって未来志向になってから時間が過ぎていくことで、身体が発達し第二反抗期も後期に移っていきます。中学生ごろの多くの問題は、時間が解決してくれることがほとんどです。

娘さんが2才のころ、第一反抗期の時も、きっと目まぐるしく子どもの態度が変わったと思います。今も、親の方が子どもに合わせて態度を変える時期。

第二反抗期も後期になると、子どものワガママを受け入れる必要がなくなったり、逆に親が弱みを見せて子に頼る演技をするような時期もあるでしょう。忘れてはいけないのは「子どもは日々成長している」こと。

学校に行かなくなってできた親子の時間を、有意義に使う事も考えてみてください。必ず突破口が見えてくると思いますよ。

長くなりましたが、いただいた情報で考えられるアドバイスをさせていただきました。今後も、気兼ねなく娘さんが何か行動したり、発せられた言葉で悩む事があればお知らせください。

その都度、その意味や対処のアドバイスをさせていただきます。

この返答の後、娘さんの態度は若干緩和されたとの連絡が。今日現在も進行形で、連絡を取り合わせていただいています。

不登校問題は、親も子も突然迷宮に迷い込んでしまうもの、私は言語化することで現在地を把握してもらう事を心がけています。

みなさんの中でも、何か聞いてみたい事があればお気軽にご相談いただければと思います。

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この記事を書いた人
レインディア藤原さん

Reindeer 代表取締役社長

レインディア藤原さん

北欧インテリアショップ『reindeer』、木のおもちゃのレンタルプログラム「もくレン」などを運営。中海テレビ「県議熱中討論」コーディネーター、よなご宇沢会幹事も務める。幼稚園や保育園、市町村の子育て支援センターなどで育児講演を行う。乳幼児の育児相談から不登校問題もお気軽にどうぞ! いつも作りかけのお店はまさに秘密基地、まずは自分でするのが藤原流であり、北欧から学んだこと。お喋り大好きな二児の父です。

最近では、米子市岡成で子育て支援プロジェクト『コーセリ』の代表理事を務めています。私は子どもが生まれる前の妊娠期から、子育てや子どもの発達について学びながら準備をしていくことが、子育ての不安を減らすうえで大切と考えています。そのような視点から、子育て世代の親を対象としたセミナーを企画・開催しています。また、子どもと一緒に参加できる体験教室やイベントなども行っています。

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