生後6~7ヶ月の赤ちゃんの発達の特徴とは?身体の部位ごとに解説します


生後6~7ヶ月の子どもの発達の特徴まとめ。正しく理解すれば育児もグッと楽しく
みなさんこんにちは。レインディアの藤原です。
暑い日が続きますが、いかがお過ごしですか?
先日、日野町職員研修会で講演をしてきました。その様子が「チャンネルひの」7月第一週ニュースで紹介されていますのでぜひご覧ください。
その講演の中で、「現代の人は育児の仕方が分からなくなってしまった。動物園で保護されたオランウータンの赤ちゃんは、成長し親になり、赤ちゃんが誕生しても育児ができない。それと同じように親から育児された経験が少ない現代人は、赤ちゃんの育児をどうすれば良いか分からなくなっていているのではないか。」というお話をしました。
保育園や幼稚園、公民館などの講演先で見るのは、育児に悩んでいる多くの大人たち。「育児のプロ」のイメージがある保育士さんでも、いざ家庭で我が子を育てるとなると悩まれている方がとても多い・・・。
そこで今回からのコラムでは、初心に立ち返って《生後6ヶ月からの成長》を細かく解説。
正しく子どもを理解すれば、子どもは健やかに成長し、育児はどんどん楽しく幸せな時間になっていくと思いますよ。
生後6~7ヶ月ごろの発達の特徴とは?
そもそも「6~7ヶ月」が重要になってくるのか
私の育児知識のスタートは、弊社で独自開発した子育て支援サービス「木のおもちゃレンタルプログラム“もくレン”」の経験から。
日々、全国のお母さんが書かれた成長確認アンケートを読み、育児風景を想像して発達段階を見極め、適切な玩具と育児アドバイスを送り返しています。
今日は2才7ヶ月のお子さんと、10ヶ月のお子さん、明日は3才2ヶ月の女の子、その次は1才半の男の子・・・。と、月齢と性別でアンケート内容を判断していくわけです。
また、15年ほど前に、我が家にも子どもが誕生。それ以降は実験台として様々な論文などを、子どもたちで実践することができました。
知識ばかりでなく、実学が伴っている点がポイント。さて、サービスの詳細は弊社サイトなどをご覧いただくとして、“もくレン”は生後6ヶ月の赤ちゃんからを対象としています。
なぜだと思いますか?
それは、6ヶ月が赤ちゃんの発達の分岐点だから。
まず、脳で記憶が始まるのがこの頃と言われています。生後5ヶ月ごろまでの赤ちゃんは、生まれた時から持っているプログラムで、反射的に身体が動いて生きているイメージ。口に当たる物は吸う、手のひらに当たる物は握るといった具合に、外部刺激に対して各部位が反応しています。
この段階では、脳と身体はまだ連携できていないので、頭で考えて口や舌、手や足、顔の筋肉を動かしているわけではありません。
その段階が進み、生後6ヶ月ごろには赤ちゃんの行動が変わる段階が訪れます。
「口」の発達:口とその周りが育ってくる段階
分かりやすく現れるのが、おっぱいの吸い方が下手になる、遊びながら吸う行動。
今までと同じ時間では量が足りなくなっていったり、哺乳瓶で飲ませていても、同様に少ししか飲まなかったり、嫌がったりする行動が現れたりします。記憶が生まれると、少し前の経験を再現しようとする行動が始まりますが、同時に生まれた時から持っていたプログラムを忘れていきます。
「どうやって吸っていたかな?」と改めて教えて、慣れさせていくと覚えて、上手な吸い方を学習。ここから脳を中心とした神経支配が放射状に広がってくるので、脳に近い耳に、目や口などが最初に脳の制御下になっていきます。
口の感覚を育てるために、口に手を持っていったり、物を口に入れたり。様々な刺激を入れるような行動が増加。口の周りの神経支配も育ってくるので、離乳食がスタート。でも、しっかり食べるというより、口に異物が入る事に慣れていく段階です。
口の入口に置くような食べさせ方では出してしまうので、ツバメの雛のようなイメージで、スプーンで少し上方から舌の奥に載せてあげるようにすると、飲み込んでくれるハズです。
口に入った食べ物を、上手に体内で送る事もできないので、よだれが出ているかも確認しながら、ゆっくり赤ちゃんの様子を見て、喜ぶ程度にしてあげましょう。
「耳」の発達:ようやくおもちゃで遊び始める時期
では、つぎに耳のお話。お腹の中でも耳は聞こえていると言われています。ですが、聞いた音を脳で覚えているわけではありません。ただし、音楽という刺激が入力された時、身体を動かすといった回路は形成されているかもしれません。
お母さんのお腹の中の赤ちゃんは羊水の中ですが、大人がお風呂やプールに潜ると低音しか聞こえなくなるように、赤ちゃんにも高音は届いていません。音は、高音域は空気の振動数、すなわち鼓膜の振動情報が多く、低音域は少なくなる特性があります。
赤ちゃんの声は、生まれた時に「オギャー!」と低い声で泣き、しばらくその状態が続きます。生後6ヶ月ごろは、耳も徐々に育って、音に反応するようになってくる段階。この頃に、ようやくおもちゃが意味を持ち始めます。
“ガラガラ”と言われ、カンカンとか、ピーピーというような名前では呼ばれない赤ちゃん向けおもちゃ。鈴などが中に入っているおもちゃは、木の枠などに入っていて、音が響かない仕様になっています。耳が成長段階の赤ちゃんには、高い音や響く音は刺激が強いわけですね。
よく聞く「車でドライブすると寝てくれる」のも、タイヤからのロードノイズが低い音程であるからでしょう。この段階では、鉄琴やピアノ、太鼓もまだ早いので、小さな響かない音のおもちゃを用意してあげてください。
オルゴールも音が響くので、ケースに入っているタイプの方が赤ちゃんの反応がいいと思いますよ。
「目」の発達:白黒のはっきりした模様に反応。目の成長には太陽の光がポイントに
次は目のお話です。生後6ヶ月ごろは、まだ白黒でぼやけて見えている段階。
ママの顔を最初に覚えると言われ、ママの顔の雰囲気、黒目の位置や鼻や口の陰影などから“ママの顔”を覚えて、ママらしい何かが見えると喜びます。ある研究では、生後6ヶ月ごろにママの顔を覚え、7ヶ月ごろにパパやほかの家族の顔を覚えると言われています。
ただし、この月齢の記憶時間は数時間なので、ちゃんと覚えてもらうのには何回も顔を見せる必要があります。
この時期にオススメなのは、赤ちゃんのベッドの前に、白黒の境界線がハッキリとした絵、モビールなどのゆっくり動く物を飾ること。すると、赤ちゃんはジッと見て、ピントを合わせようとしたり、動く物を目で追ったりして、目のコントロールを鍛えていきます。私は店頭で、生後6ヶ月の赤ちゃんの発達を見極める方法として、赤ちゃんの眼球の動きを見ます。
お母さんに抱っこされている赤ちゃんの前で、私が左右に揺れてみて、赤ちゃんが私を目で追う、その時の黒目がカクカク動くのか?スムーズに動くのか?目で追って首も動かすのか?目の端まで追って固定できるか真ん中に戻るか?その状況で、今の発達段階を判別。
このころの赤ちゃんの目の発達を促すには、赤や黒などの色の差がハッキリしたおもちゃを用意し、赤ちゃんが目で追うのを見ながらゆっくり顔の前30~50センチ位のところで左右に動かしてあげるといいでしょう。
また、生後7ヶ月ごろになると遠近感が育ってくるので、赤ちゃんの目を見ながら、近づいたり遠ざかったりしてみると喜んでくれますよ。赤ちゃんがママに抱っこされながら泣いていたら、私は生後何ヶ月かを伺って、6ヶ月前後なら左右に動き、7ヶ月前後なら前後に動いて見せます。
そうすると、不思議とみんな泣き止んでくれますよ。まぁ何回もは効果がありませんが・・・(苦笑)。
そして、このころから1日に1時間程度は、お散歩などして太陽を浴びさせてあげましょう。
近年、スマホやタブレットなどで、近視・斜視など目の問題が顕在化。それを防ぐのに効果的なのが、太陽光を浴びる事と言われています。
今は真夏なので、1時間は長いかもしれませんが、身体を作る大切な段階なので、過保護に冷暖房完備の家の中でばかり過ごしていると、汗腺も増えず目も弱いままになってしまいます。
骨の数は、大人が206本ですが、赤ちゃんは300個もあり成長とともにくっついていきます。ですが、骨の生成に必要なビタミンDは、太陽を浴びると生成されるので、赤ちゃんの健やかな成長を願うなら、できるだけ毎日外のお散歩をしてあげましょう。
※肌が弱い、虫刺され、脱水症状など気がかりな問題もあるので、お子さんの健康状態には充分注意し、無理はしないでくださいね。
「鼻」の発達:鼻の周りをマッサージして笑顔いっぱいに
鼻は、ほかの感覚器官と比べ、おもちゃなどの外的な刺激で育てる概念がないパーツ。しかし近年、エアコンの風が顔に当たって鼻が乾燥し、鼻水が固まって呼吸が苦しくなったり、睡眠に影響が出たりしている事があります。
また、ダウン症のお子さんなど、鼻の周りの筋肉をマッサージしてあげると表情筋が育つという報告も。鼻やその周りをさわってあげると、赤ちゃんが表情を出しやすくなり、笑顔が出るようになると、育児は俄然やりやすくなります。
笑顔は、赤ちゃんの信号のような役割。なので、表情が出やすいように意識してあげるといいでしょう。
「身体」の発達:手のひらや足の裏のマッサージを試してみて
身体のコントロール面では、生後6ヶ月で寝返りも始まってきますね。
弊社に訪れる7割くらいのお客さんが、右回りとか左回りとか、片方だけできるようになって、その後早い段階で元に戻れるようになり、両側に寝返るようになります。
寝返りが始まると、うつ伏せで苦しんだり、枕やぬいぐるみなどが口を塞いだりといった命の危険も増加。このころには、首元や脇をコチョコチョすると笑うようになり、神経支配が広がってきている事を確認できるでしょう。
お尻や腰の辺りで笑うようになれば、自分の手で支えながらお座りができるように。まだまだ、身体を脳がコントロールできていないので、急に後ろに倒れたり、ぐったりと前に倒れたりする事があるので、目を離してはいけない段階に入ってきます。
このころにオススメなのは、脳から遠い手のひらや足の裏のマッサージ。
赤ちゃんが“自分の手”を認識するのは1才過ぎと言われ、まだまだ自分の手として意識的に動かす事が苦手な状態が続きます。外からの刺激で神経感覚が育っていくので、泣いた時なども手や足の指をマッサージしてあげると、一時的に「あれ?何か刺激信号が入ってきたぞ!」と気を紛らわすことができますよ。
この時期は、頭蓋骨の枠の中で脳の容量はまだ小さく、頭の中で脳は浮いているような状態。「揺さぶられっ子症候群」などの危険があるのもこの時期です。
首が据わり、少しずつ赤ちゃんが表情豊かになると、親はうれしさから高い高いなどをして、赤ちゃんとスキンシップを図ろうとします。しかし、まだまだ危険がいっぱい。脳を強く揺らすと、頭蓋骨に当たって脳に損傷が生じかねないので、頭が前後左右に揺れるような動かし方は禁物。
車のチャイルドシートが寝た状態であるのも、ブレーキや加速時に脳が前後左右に揺れないようにした設計となっています。
ちなみに、1才ごろになると、チャイルドシートも起き上がってきて座るスタイルになり、赤ちゃんは立って歩こうとします。この頃になってやっと頭蓋骨の中で脳の容量が育ってきて固定され、そしてバランス感覚を養う三半規管の調整が始まるわけですね。
抱きかかえる時、ベビーベッドに寝かせる時、赤ちゃんの頭がドン!っとならないように注意しましょう。
6ヶ月ごろからおもちゃの出番。発育を促すための与え方もポイント
このような段階に入るので、いよいよおもちゃに興味を示し、おもちゃが赤ちゃんの発達を促す役割を担うようになってきます。
転がるおもちゃだと、自分から遠ざかったり、それを追って行こうとして身体を動かすように。さわったタイミングで音が鳴ると、もう一度音を鳴らそうと再現運動をし始めます。
7ヶ月ごろになると、右手と左手に別々のおもちゃを持たせて、さらにもう1個渡してみてください。すると、1個を落として、渡されたおもちゃを掴もうとするでしょう。その時に、落ちたおもちゃを探すか?または探さないか?でも発達の段階が異なります。
おもちゃを口に入れるか?投げるか?机などから落とすか?なども、成長のバロメーター。
また、この月齢では、一度に3~4点のおもちゃを出してあげるのがコツです。まだ集中力がないので、ひとつのおもちゃをさわっている時間が短いのも特徴。ひとつ目のおもちゃで少し遊んで、目に入った2つ目で遊び、また次の3つ目のおもちゃで遊んで・・・。最初のおもちゃにまた戻ってきて、先ほどと同じ行動をすると思います。
このようなルーティーンで遊ぶ環境を作ると、“ちょっと前の遊び方を思い出す”事で、記憶力が育まれていきます。
さて、長くなりましたが生後6~7ヶ月ごろの発達に関して書いてみました。
この段階の赤ちゃんの育児でお困りの事、気になる事、相談したいことがありましたら、お気軽に下記お悩み相談フォームからお寄せください。通常1週間以内にはお返事できると思います。
近いうちに続きの月齢も書いていこうと思いますので、楽しみにしていてくださいね。よろしくお願いいたします。
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鳥取・島根のお仕事情報
この記事を書いた人

Reindeer 代表取締役社長
レインディア藤原さん
北欧インテリアショップ『reindeer』、木のおもちゃのレンタルプログラム「もくレン」などを運営。中海テレビ「県議熱中討論」コーディネーター、よなご宇沢会幹事も務める。幼稚園や保育園、市町村の子育て支援センターなどで育児講演を行う。乳幼児の育児相談から不登校問題もお気軽にどうぞ! いつも作りかけのお店はまさに秘密基地、まずは自分でするのが藤原流であり、北欧から学んだこと。お喋り大好きな二児の父です。
最近では、米子市岡成で子育て支援プロジェクト『コーセリ』の代表理事を務めています。私は子どもが生まれる前の妊娠期から、子育てや子どもの発達について学びながら準備をしていくことが、子育ての不安を減らすうえで大切と考えています。そのような視点から、子育て世代の親を対象としたセミナーを企画・開催しています。また、子どもと一緒に参加できる体験教室やイベントなども行っています。
【レインディア藤原さんの過去記事一覧はこちら】
コーセリプロジェクトHP