ウミネコだけじゃない!日御碕に眠る「海底遺跡」の可能性-出雲市

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海底に沈む神殿!? 出雲市の日御碕に眠る「海底遺跡の可能性」

みなさんこんにちは!ラズダローカルライターのルミカです。

今回はなんと!出雲市大社町日御碕に「古代の歴史が眠る海底遺跡がある」とのことで早速、取材へ行ってきました。

日御碕にある経島(ふみしま)は、『日御碕神社』西方100メートル沖の海上にある無人島。「ウミネコ集う神域の岩島」と言われ、繁殖地として有名。『日御碕神社』の神域とされ、一般の人は立ち入れない場所でもあります。

年に一度、8月7日の例祭の際に神職が小舟で島に渡り、「夕日の神事」と言われる「神幸神事(みゆきしんじ)」が執り行われています。この神事は『日御碕神社』建立以前の古代から続くといわれ、経島には夕日の神様としてのアマテラスオオミカミが祀られています。

海底遺跡に関する話を伺ったのは、経島近くでダイビングステーション『AQUA工房』を営む岡本さん。2000年に日御碕に移転され、ダイビング中に遺跡の可能性に気づいたそう。

経島の沖には、海中に沈んだと考えられる島・タイワがあります。「神幸神事」がかつてこのタイワで行われていたとの言い伝えがあると知り、調査を始めたそう。

事実、経島の下には参道と思われる領域が!人が歩くことでくぼんだと思われる跡があり、その道はタイワまで続いているとのこと。

海底には参道らしき場所が!

経島の下にある洞窟の参道は、人が歩いた跡でくぼんでいます。この先は、白い砂の参道が続き、黒島にたどり着きます。

「黒島」の海底にあるのは、神殿のようなトンネル。

トンネル内の中央には祈りをささげていたと考えられる「祭祀台」のような場所も。大きな岩が張り出し、不思議なことに足元は玉石だらけ。

黒島から西方約300メートル沖。こちらにあるのがタイワと呼ばれる領域。夕日を拝んでいた場所と伝えられています。

水深約18〜4メートルまで続く岩山の参道らしきエリアがあり、頂上には「夕日の神事」が行われていたと考えられる平らな広場も。

岡本さんによれば、「出雲風土記」に記された古代の様子と見比べると、現在の状景は異なるそう。

西暦880年に起こった「出雲地震」により、元々あった島が沈んだ可能性が高いと推測されています。

調べてみると、「出雲地震」はマグニチュード7.0の大地震!神社仏閣や民家が崩壊し、山は崩れ、地面に亀裂が生じ、海岸部で津波が発生した記録が残っていました。

灯台北側にある領域「サドガセ」と「ボングイ」

日御碕灯台の北側には、海底に沈んだと思われる領域「サドガセ」と「ボングイ」があります。

水深30メートル地点に、古代の人たちが祈りをささげていたと思われる跡が多数。調査する岡本さんは「経島よりもっと前に地殻変動で沈んだのでは?」と推測。

断崖絶壁が沈んだと思われる「サドガセ」

「サドガセ」には巨大な断崖絶壁の岩があり、高さは水深3メートル〜30メートルに及びます。

航海の安全を祈願した石像が鎮座していたと思わせる洞窟があり、参道らしき道が続いています。

水深24メートル地点には亀の形をした「亀石」があり、水がめの意味があるそう。頭を持ち上げた大きな亀石で、甲羅の大きさはおよそ1.2メートル。

古代では、亀は豊穣(ほうじょう)への祈り、長寿の象徴であったとのこと。頭はせり上がり、亀石の上には二段に分かれた滝の跡。水は「亀石」の頭に落ちる設計になっています。そのほか、滝つぼや小さな池の跡も発見。

「サドガセ」の水深24メートル地点にあるのは「岩屋」。その手前には「祭祀台」のような大きな石が!中には玉砂利が敷いてあります。

岩屋は、神が宿る場所として祈りや儀式を行う神聖な場所。岡本さんによると、ココは沖縄の知念村にある世界文化遺産「斎場御嶽(セーファーウタキ)」に似ているそう。

経島に降臨した天照大御神は、琉球神話に登場する女神(アマミキヨ)と名前や神話が似ていると言われています。さらに、出雲地方と沖縄地方で執り行われる神事にも類似点があるとか。沖縄地方と何らかの関連性があるのでしょうか・・・?

灯台真北に位置する領域「ボングイ」

灯台から、さらに沖合へ。灯台の真北に位置するのが、海底に眠る領域「ボングイ」。水深約20メートル地点にある階段は難なく歩ける場所で、頂上まで続く参道らしき道があります。

幻想的な青の世界に包まれた神秘的な階段は、まさに神殿!

水深約30メートルの海底には、祭祀跡のような場所があります。その後ろの壁には、人工的に削られた跡も。

古代の人々が円を囲んで座り、中央で祈りを捧げていたのでしょうか・・・。

まるでお花畑のようにカラフル!これは、海洋生物が付着して長年の海中環境の変化で生まれるそうです。

日が沈む聖地、出雲

まさかこんな身近な場所に、海底遺跡の可能性を秘めた場所があるとは!思わぬ発見に胸が高鳴りました。

ウミネコの繁殖地として知られる無人島、経島は、驚くべきパワースポットだったのです。

タイワでは「夕日の神事」が行われますが、さらにもっと昔は「サドガセ」や「ボングイ」で神事が行われていたとのこと。

古代より夕日を神聖視してきた人々の想い。その祈りの跡が、今も海底に静かに眠っています。

平成29年4月には、「日が沈む聖地出雲」として日本遺産に認定された島根半島西端の海岸線。地元の歴史ロマンに、たまには思いをはせてみるのもいいですね。

知れば知るほど、新しい出雲の魅力に出合えるハズです。

【おまけ】海底の映像はコチラ!

経島

フミシマ
住 所:島根県出雲市大社町日御碕451 [MAP]
駐 車:「日御碕神社」駐車場を利用

情 報:YouTube(海底映像)

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地球に遊びにきました。ワクワクすることを行動に移し、新しい冒険や成長を楽しんでいます。私自身と周りの人々が、より幸せで調和の取れた生活を送れるように、日々を大切に過ごしています。

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