山あいの旧小学校が“まちの文化祭”に。奥出雲町「新そば祭り&あおぞら市」のお手伝いへ【月1開催中】
奥出雲町馬木にある旧小学校が“まちの文化祭”みたいになっていた話
みなさん、こんにちは。山陰のタウン情報誌「ラズダ」編集部いしやんです。
今回は「しまっち!」で見つけた“お手伝い募集プログラム”の体験レポート。
11/2・3に奥出雲町・馬木(まき)で開催された「新そば祭り&あおぞら市」のお手伝いへ行ってきました!
会場は島根県奥出雲町・馬木(まき)地区。大銀杏で知られる『金言寺』近く、山あいのまちにある『旧馬木小学校』が、この日だけは人でいっぱいでした。
人口減少や高齢化が進む中山間地域とは思えないほど、小さな子どもからおじいちゃん・おばあちゃんまで、みんなが笑って行き交う光景。
おいしいごはんと、あちこちから聞こえる笑い声。寒くてもあったかい場所でした!
★「あおぞら市」自体は毎月1回、定期開催中なので、気になる方はぜひ。
新そばに豚汁、から揚げ、コーヒーも。『旧馬木小学校』が1日マーケットに
会場となったのは、かつての学び舎『旧馬木小学校』。校舎前にテントが並び、2日間で連日約200人が訪れたそうです。
メインはもちろん、打ち立ての新そば。湯気の向こうからつやつやのそばが顔を出すたびに、注文の声が途切れません。そば担当のスタッフさんたちは、ずっとフル回転でした。この日出ていたブースは、ざっくりこんな顔ぶれです。
- 打ち立ての新そば
- 馬木の新米を使ったおにぎり
- 地元の野菜たっぷりの豚汁
- 地元の方によるから揚げ
- 横田高校の生徒さんによるおこわ販売
- 採れたての産直野菜販売コーナー
どこを見ても湯気といい香り。どこを切り取っても、“おいしいもの”が目に入っちゃう。
(お手伝いの前から食べることで脳内いっぱいに!)
時折、雨が降る肌寒い日でしたが、湯気と笑い声と、いい匂いに包まれていると、不思議と寒さを忘れてしまうような。
紅葉を見に『金言寺』方面へ向かう途中の方が、ふらりと立ち寄る姿も。奥出雲町長も会場を訪れ、お祭りの空気を楽しんでいたのが印象的でした。ちゃんと働きます。めちゃうま大学芋をバシバシと
今回、私が担当したのは大学芋ブース。
使うのは、旧校舎の校庭で育てたサツマイモ。品種は「シルクスイート」。名前の通り、ねっとりなめらかで、めちゃくちゃ甘~いサツマイモです。
これをカリッと揚げて、甘い蜜をからめ、紙コップにこんもりよそっていきます。
そして、お値段なんと100円。高品質なシルクスイートの大学芋がこの価格。おやつに、そばの注文待ちにと、手軽さも手伝って、作ったそばから売れていく!
中にはお土産用にまとめて買っていく方まで。あまりの売れっぷりにびっくり。
ブースの周りには、終始、やわらかい空気が漂っていました。
特に印象的だったのは、プログラム主催団体「地域づくりフォーラム馬木」協力員である阿部さんの奥さん。
とってもチャーミングで、お話し好き。初めて顔を合わせるサポーターにも気さくに声を掛けてくれて、現場の空気をパッと明るくしてくれました。
しまっち!サポーターの中には、声の通りがとてもいい男性がいて、そばブースで呼び込みを担当。
「○○番の方、出来上がりました~」、「ありがとうございます!」と、呼び込みから出来上がりの声かけまで、テンポよくリードしてくれていました。
そのおかげもあって、ブース全体がぐっと回りやすくなっていたように感じます。
「山間の小さな集落」の言葉からイメージする“しんとした空気”とは真逆で、ここだけ切り取ると、まるで学校の文化祭のようなにぎやかさ。
高齢化・過疎化が進む地域とは思えないほど、小さい子どもからおじいちゃん・おばあちゃんまで、和気あいあいとした温かい空間!
「地域づくりフォーラム馬木」って? “愛ラブ馬木”の旗振り役
愛ラブ馬木。誰もが暮らし続けられる里山へ
このイベントを主催しているのが、地域づくりフォーラム馬木。
スローガンは、「愛ラブ馬木 ~ 誰もが、いつまでも、安心して暮らせる持続可能な地域社会の実現 ~」。
馬木地区は、江戸時代にたたら製鉄が盛んだった地域で、砂鉄採取跡地の『大原新田』は「日本の棚田百選」にも選ばれた景勝地。『金言寺』の大銀杏と合わせて、印象的な風景があちこちに残る里山です。一方で、近年は人口減少や高齢化が進み、地区内にあった2つのJAやガソリンスタンドも相次いで閉鎖に・・・。町の中心部との交通も、決して便利とは言えません。
「今後も住み続けるためには、生活の場や、住民同士のつながりを支える拠点が必要だ!」。そんな思いから、2019年に立ち上がったのが地域づくりフォーラム馬木です。
月1回の『あおぞら市』とサロンカフェが顔馴染みをつくる
活動の柱になっているのが、月1回の「あおぞら市」と、サロンカフェです。
毎月第3日曜に開かれる「あおぞら市」では、地元の農産物や加工品に加え、相互出店している島根町加賀の特産品なども販売。
さらに、大馬木・小馬木それぞれで、週に数回、喫茶サロンをオープン。そこでは、住民同士がお茶を飲みながら世間話をする、いわば“地域のリビング”のような時間が流れています。
「サロンに行けば誰かに会える」、「あおぞら市の日は、顔馴染みと会える楽しみがある」。続けていくうち、そんな日常の安心感がすくすく成長♪
今回の「新そば祭り&あおぞら市」は、この月1回の「あおぞら市」が、『金言寺』の大銀杏シーズンに合わせてパワーアップした姿。
いつもの顔ぶれに、観光客や「しまっち!」サポーターが混ざり合って、さらににぎやかな場に。
Uターンから自治会長に!? “しがらみのなさ”が後押し
地域づくりフォーラム馬木の協力員を務めているのが阿部さん。
お話を聞くと、9年前に奥さんと一緒にUターンして馬木へ戻り、その後、自治会の中で頼られる存在になっていったそう。
外から戻ってきたからこその“しがらみのなさ”やフットワークの軽さが評価され、4年前には自治会長に就任。
その流れの中で、現在の地域づくりフォーラム馬木の協力員という立場を引き受けることに!
「サポーターがいる・いないで、場の空気が全然違う」
今回のイベントには、2日間を通して、次のような「しまっち!」サポーターが参加しました。
- 名古屋からの男性:1名
- 県内からの男性:2名(うち1名は私)
- 県内からの女性:5名
合計8名で、運営をサポート。
月1回「あおぞら市」を続けていることもあって、お客さんもスタッフも、基本的には顔馴染みが中心。そこへ「しまっち!」を通じて外から人が入ってくれると、場の空気がふっと新鮮に。「あれ?見かけない人だな」という存在が会話のきっかけになり、雰囲気も明るくなるとか。
阿部さんから「サポーターがいる・いないでは、場の雰囲気が全然違う。本当にありがたい」と、うれしそうに話してくださいました。
当日を振り返った阿部さんコメントでも、時々小雨が降る肌寒い天候だったこと、それでも新そばや豚汁、おにぎり、大学芋の盛り付けや接客をサポーターが担当してくれたおかげで、連日約200名の来場者で大盛況のうちに無事終了できたことが語られていました。
参加者の明るい笑顔と気配りのある接客に、スタッフ側もエネルギーをもらった、とも。
みんなの交流の場!月1回「あおぞら市」をこれからも続けていくために
「新そば祭り&あおぞら市」は、近年の温暖化の影響で紅葉時期が1週間ほど遅れ気味になっていることも踏まえ、来年は11月7・8日の開催を検討しているそうです。
「毎月あおぞら市を続けるのは、正直、大変。でも、続けることに意義がある」。阿部さんはそう言って、少し照れくさそうに笑っていました。
「あおぞら市」やサロンカフェがあるからこそ、「ここへ行けば誰かに会える」、「ちょっと困った時に、顔の思い浮かぶ誰かがいる」そんな安心感が、日常の中に少しずつ積み重なっていきます。
今回、「しまっち!」サポーターとして1日だけ入った私にできたことは、せいぜい大学芋を揚げて、よそって、お渡しするだけ・・・。それでも、
- 忙しい現場でスタッフの手がひとつ増えること、
- サポーターがいることで場の雰囲気が明るくなること、
- そして「また来たい」と思う記憶が、サポーター側にも残っていくこと
こうした小さな積み重ねが、月1回の「あおぞら市」を「これからも続けていく力」につながっていくのだな~と。
これまで何度か「しまっち!」のプログラムに参加してきました。そのどれもに共通するのは、自分では微力と思っていても、それらは案外、パワーになっていること。
水面に一滴でも水滴が垂れたら波紋が広がるように、たった1回、数時間、ちょっとのお手伝いが変化のきっかけになるのかも。
何より《現地のあったかい空気に包まれる》時間は幸せです。気持ちいいですよ!(←これがホンネ)
※掲載の情報は、記事公開時点の内容です。
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この記事を書いた人
タウン情報ラズダ編集部
編集部いしやん
島根・鳥取のタウン情報誌ラズダ編集部の現編集長。島根県松江市出身→浜田市→大阪→奈良→松江市在住。
喫茶店の冷えたおしぼりと、帽子が大好物な蛇年の年男。
日刊webラズダでは主にグルメ、ショップ、キッズ関係の記事を担当しています。あ、あとバツイチ&2児のシングルファーザーです。(←どうでもいい??)
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