完璧を求めない子育てでいい。アメリカ滞在で出会った「未完成を楽しむ」暮らし

レインディア藤原さん
レインディア藤原さん

かつてのクリスマスの思い出から振り返る、クリスマスと育児の理想の形

■藤原さんの育児学Vol.143■

みなさんこんにちは。レインディアの藤原です。もうすぐクリスマス、プレゼントは決まりましたか?

子どもたちに「何が欲しい?」と聞くと、高校生の息子は、「何もない。勉強や部活で忙しくて、ほかの事に時間を使えない」と、つれない返事。小学4年生の娘は、「う~ん、レゴかな?ぬいぐるみかな?・・・」と、昨年と同じ事を言った後に、何か言いたげな様子。

どうも、新しいタブレットが欲しい様子なのですが、親に反対されると思って言わないという戦略のよう。願い事を言うと叶わなくなると感じているのかも。

現実は、言った方が叶う確率が上がると思うのですが(笑)。

20代のころに体験した「家族の一大イベント」としてのクリスマス

みなさんは、クリスマスにどんな思い出がありますか?

私が20代前半の若い時、アメリカの友人宅でクリスマスを過ごした事があるのですが、それは家族の一大イベントでした。

朝早く起きて、お昼までかかって次々とプレゼントが出てきて、それも段々豪華になっていくシステム。最初は、父親の会社の景品から始まり、ペットのワンちゃん、姉弟、トナカイ、サンタ、ママ、パパ、両親からのプレゼント公開の流れ。

親が子どもを喜ばせようと、かなり前から準備していた事が伺えます。短期ホームステイ中の私にも10個程度のプレゼントが用意されていて、感動したものです。

この時、世界には幸せな家族という形態が実在しているのだと、そして、こんな家庭を作りたいと、独身の私は強く感じました。

「子育てに相応しい土地」から人生を設計する夫婦の話

アメリカ北部、ニューハンプシャー州に住むこの一家、パパとママの出会いは大学生の同級生だったといいます。

大学卒業後、それぞれ就職し、数年後に結婚。そして、最初に取り組んだのが“アメリカで子育てに相応しい土地はどこか?”を探すこと。

大統領選などのニュースでも、最初の動向が示されるポイントとなるニューハンプシャー。治安や歴史、環境や宗教など、アメリカには様々な問題もありますが、税金が安いのもこの州を選んだ理由のよう。(州レベルで消費税や所得税が課せられない)

ただ、私が驚いたのは、結婚して妊娠もしていない段階で、住む場所を選ぶのに“子育て”を基準にしている点

私の常識では、住む場所を決める優先順位は、仕事が最初、次に通勤距離、家賃、利便性、ときて子育ては、生まれてから考える順位でした。

この夫婦は、治安がいいこと、教育機関・行政機関がしっかりしていること、公園がすぐそばにあること、他民族が住んでいることなどを考えたと話します。

そして、築150年以上のリフォームが必要な古い家を買い、移り住んで通勤距離が長いためにすぐに前職を退職。その町で出来るビジネスを考え、パパは地域の老人たちの資産を投資運用する会社を創業。

一方のママは、移り住むと計画通りに赤ちゃんを授かり、子育てに全力投球。女児、男児と生まれ、さらに外国の孤児院から兄妹を受け入れます。パパはクリスチャン、ママは無宗教、子どもたちはみんなそれぞれ。

私には、聞く話の何もかもが新鮮で驚きの連続。「子どもを大切にする」レベルが全然違う人たちがいるのだと衝撃を受けました。

今だから言える、ホームステイ中のちょっとした冒険

このホームステイ中、今だから言えますが、友人と私は近所にあったこのパパの会社のガレージへ行き、古いBMWを勝手に借りて乗ったことがあります。

夫婦が出会った時に乗っていた思い出の車らしいのですが、車好きな私のために、友人がカギを用意してくれました。

見つかったら怒られると言われながらのドキドキも、外国で初めて運転した時のうれしさも、今はいい思い出です。

教会と町の風景から感じた、多民族の暮らしと歴史

別の日には、友人が小さい時からパパと通っていた教会にも行き、牧師さんとお話したり、ほかの家庭のクリスマスパーティーに顔を出したり。他民族が暮らすこの町では、建っている家の様式を見れば国籍のルーツが分かりました。

ギリシャ神殿のような柱のある家はギリシャ系住民、イタリア系はレンガ作り、フランス系カナダ人の建物など、アイデンティティを表しています。

当時お世話になったこのご家庭の家は、クローゼットの奥に隠し扉があったり、まだ手つかずのボロボロの部分があったり。アメリカの歴史を垣間見る部分もありました。

この時でも購入から20年は経っていて、数年前にはキッチンのリフォームが完成したと連絡があり、人生をかけて家のリフォームもして楽しんでおられる様子。

影響を受けた生き方と、「未完成を楽しむ」育児の考え方

読者のみなさんの中で、私と実際に出会ったことのある方なら、私がこのパパにスゴく影響されたことを感じ取られることと思います。

◎住みやすいと感じた町で会社を起業
◎独身時代から育児支援のおもちゃレンタルサービスを開発
◎結婚し妻の妊娠が分かると、公園が近く小中高校に囲まれた中心点になるような場所へ引っ越し
◎会社も移して仕事内容はその地域に合わせて展開
◎クリスマスには、子どもたちにたくさんのおもちゃを用意
◎血のつながりのない子どもたちへも同様に幸せになって欲しいと活動
◎家も会社も、改装を繰り返して、完成させない・・・

何となく行動が似ていませんか?

人に対しても、物作りに関しても、早々に完成や完璧を求めるのではなく、発展する過程を楽しむスタイル。

これは、育児も同じですよね?

子どもに完璧を求めたり、いい母になろうと完璧主義を通そうとしたりすれば、ストレスが溜まったり自己嫌悪に陥ったりします。

ですが、未完成であることを受け入れ、自分の日々の成長を実感出来れば、末広がりな人生になりますよね。

日本でも広がって欲しい、家族で過ごすクリスマスの文化

日本のクリスマスは、恋人や友人と過ごすイメージ。ですが、欧米では家族でゆっくり過ごす日として、日本でも知られていますよね。

ブラックフライデーやチキンを食べるビジネス文化だけでなく、「家族でステキな1日を過ごす日」というクリスマス文化も日本で広がって欲しいもの。

みなさんも、今年のクリスマスプレゼントは、ぜひチープな物から複数のプレゼントを贈ってみてください。きっと、話のネタが増えて、贈った側もより幸せになれると思いますよ。

MerryChristmas!
トナカイという名の会社の社長より。

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この記事を書いた人
レインディア藤原さん

Reindeer 代表取締役社長

レインディア藤原さん

北欧インテリアショップ『reindeer』、木のおもちゃのレンタルプログラム「もくレン」などを運営。中海テレビ「県議熱中討論」コーディネーター、よなご宇沢会幹事も務める。幼稚園や保育園、市町村の子育て支援センターなどで育児講演を行う。乳幼児の育児相談から不登校問題もお気軽にどうぞ! いつも作りかけのお店はまさに秘密基地、まずは自分でするのが藤原流であり、北欧から学んだこと。お喋り大好きな二児の父です。

最近では、米子市岡成で子育て支援プロジェクト『コーセリ』の代表理事を務めています。私は子どもが生まれる前の妊娠期から、子育てや子どもの発達について学びながら準備をしていくことが、子育ての不安を減らすうえで大切と考えています。そのような視点から、子育て世代の親を対象としたセミナーを企画・開催しています。また、子どもと一緒に参加できる体験教室やイベントなども行っています。

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