布が服になる瞬間を見に行こう!洋裁工場“職人”体験レポと、島根県の手仕事就労体験制度【ラズダ広告】

編集部いしやん
編集部いしやん

小学校の家庭科ぶりにミシンを踏んだ日。洋裁の現場で体験した「職人の仕事」

こんにちは!山陰のタウン情報誌「ラズダ」編集部いしやんです。

この記事を読んでいる方の多くは、きっと「手を動かす仕事」や「職人と呼ばれる仕事」に興味のある方のハズ。とはいえ、そういった業界は、外からはどんな仕事・業務があるのか、分かりづらいところも。

そこで今回は、編集部が実際に島根県内の事業所へ。手仕事のひとつ「洋裁」の現場のリアルを見て、聞いて、体験してきました!

今回お邪魔したのは、出雲市浜町の縫製工場、スリーケー。

最近は若い世代向けのブランドの服づくりも多いそうで、工場の中には見たことのない素材がたくさん!

洋裁の仕事って気になるけど、外からだと意外と見えない。ミシンの音の向こうに、どんな工程があって、どんな目で品質を見ているのか。

まるっと見てきましたよ!

工場に入ると、いろんな音があちこちから

工場に入ってまず印象に残ったのが「音」。

ミシンのカタカタ、プレス機(アイロン)のプシューという蒸気音、CAD担当のキーボードの入力音。

いろんな音が同時に鳴っていて、現場が動いているのが分かります。

みなさん黙々と作業はするものの、分からないことがあればその場でサッと聞ける気軽さも。

それぞれの持ち場を守りつつ、最後は「スリーケーで作った一着」に。そんな“みんなで一着を作る感じ”がビシバシと!

洋裁工場の流れをざっくり解説

ここからは、みなさんがイメージしやすいように、洋裁工場の流れをざっくり整理。

洋裁工場の仕事は、布をパーツに分けて、順番に組み立て、最後に整えて出荷する流れ。大きく分けると、こんな感じ↓

■一般的な流れ

  • 型紙(パターン)を整える:服の設計図のようなもの。発注元のこだわりに合わせて微調整が入ることも。
     
  • 裁断(生地をパーツに切り出す):スリーケーでは裁断を市内の別の工場へ依頼。裁断の精度や段取りは、その後の縫いやすさにも関わる大事な部分。
     
  • 縫製(パーツを作る→縫い合わせる):袖や身頃などを作り、順番に縫い合わせて一着にしていく工程。ステッチ(飾り縫い)や刺しゅうも、流れの中に入ってきます。
     
  • 仕上げ(プレス/アイロン)→検査→出荷:シワを整え、仕上がりを確認して、出荷へ。最後のひと手間で着られる状態に。

縫製工場の中には、扱うアイテムや素材をある程度絞って強みを作るところもあれば、幅広く受けて柔軟に動くところもあります。

スリーケーは後者のタイプ。分野を固定しすぎず、数着の仕事から1000を超える大型案件まで対応することがあるそう。

最近は若年層向けブランドの制作が多い、と伺いました。

「どんな服になるんだろう?」素材の自由さに驚愕!?

布とひと口に言っても、素材は本当に様々。

スケスケの素材だったり、網目状の素材だったり。布単体で見ると、「これが、どんな服になるんだろう?」と見当がつかないものばかり。

でも、その素材が工程を通って一着の服になっていく。

この「何もないところから形が出来上がる感じ」がたまんない。工業製品の製造というより、創作の方がしっくりくる!

国内でも導入事例が少ない大型自動刺しゅう機も

別室に設置されている大型の工業用自動刺しゅう・縫製機。国内でもこのサイズは珍しいそうで、存在感があります。

担当していたのは入社3ヶ月の女性スタッフ。現在は各部門を巡りながら研修中とのこと。以前も地元の縫製工場で1年ほど働いた経験があり、「刺しゅうは好きなんです」と話します。

刺しゅう自体は、プログラムされたデータが転送されると、それに沿って自動的に進みます。ただ、任せっぱなしではなく、品質を見守り、整えて、次に回すのは人の仕事。

一枚終わってもまた一枚。首元が終われば次は袖。スタッフさんは苦笑いしながら、「(この業務は)終わりがないですね~」と。

自動化されているからこそ目が必要。そんな現場でした。

縫うだけじゃない!パソコンを使ったアパレルCAD

洋裁と言っても、様々な行程があります。そのうちの特徴的な行程のひとつがCAD。

洋服の型紙(パターン)のデータが送信されるので、それを元にサイズ展開(グレーディング)、生地の配置計算(マーキング)を行います。

これまでは手作業で行っていた工程ですが、CADによって高精度化・効率化されるように。

とはいえ、ここでも大切なのは職人の目。

生地によって伸縮性は異なり、場合によってはCADでシミュレーションした数値からずれることがあります。そういった時、やはり大切なのは職人の目や手。

デジタル化が進むからこそ、実際の経験が活きていくのかもしれないですね~。

ステッチ縫いに挑戦。家庭科ぶりのミシンは、想像以上に手強い

今回、私が体験したのはステッチ縫い。表面に見える飾り用の縫い目を、実際にミシンを動かしながら縫っていく作業です。

指導役としてサポートしてくれたのは、男性スタッフのトリタニさん。

私と同い年で、服飾系の専門学校を卒業後、松江市の洋裁会社に勤務。その後、島根県洋装技能士会を通じてスリーケーに来た方です。

国家資格「婦人子供服製造技能士」を持ち、今も別の資格取得に向けて勉強中だそう。

「この資格があると、注文服が受注できるんです」と教えてくれました。

さて、ミシン。

小学校の家庭科の授業ぶりに座った私が、最初に詰まったのは足元でした。足元のスイッチを踏むとミシンが動くのですが、そ~っと進める力加減が難しい・・・。

ちょっと踏み込みが変わるだけで、針の進むテンポが変わっちゃう。

しかも、今回縫う素材が普通の布じゃない。思ったより真っ直ぐ進まない。真っ直ぐ縫ってるつもりなのに、線がブレる!

そこでトリタニさんから、手元の添え方、布の支え方、視線の置き方。小さなコツをその場でサッと直してくれて、縫い目が少しずつそろって・・・

トリタニさんの手ほどきもあって、最後はスムーズに縫えました。たった一本のステッチなのに、終わったあと妙にうれしい!

そしてトリタニさんは「将来的には独立して、自分のブランドも・・・とは思いますね」と話していました。手を動かす仕事の先に、ちゃんと夢が続いている。そんな姿が印象に残りました。

代表・持田さんの話。「分野を固定しないから、仕事が増えていく」

スリーケー代表の持田さんからもお話を伺いました。

持田さんは地元の工業高校の電気科出身で、「若いころからラジオをはじめ、機械いじりが好きだった」と話します。

洋裁業界は異業種からの参入。だからこそ客観的に見られた部分もあったようで、バブル崩壊後に小ロット多品種の流れが来ると読んでいたため、「分野を固定せずフレキシブルに対応してきた」と。

展示会などに出すサンプル品を作って、プレゼンのように商談することもあるそうです。

工場内には、型紙を出力する大型プリンターや大型の自動刺しゅう・縫製機など、先行的な設備投資も積極的。

そうした積み重ねもあってか、持田さんは「そのため毎年、受注量が増加している」と話していました。

「向いているのは、ずばり“モノづくりが好きな人”」

持田さんは「この業界に向いているのはずばり“モノづくりが好きな人”。洋裁に限らず、手で何か作る人は向いていると思います」と話します。

私も今回の体験で、これにはうなずく場面が多かったです。例えばこんな感じ↓

  • 手を動かしながら考えるのが好き(体で覚えるのが苦じゃない)
     
  • 小さな違いに気づける(縫い目、布のクセ、手順のズレなど)
     
  • 段取りや確認を、丁寧に積み上げられる(静かな集中が得意)
     
  • 「好き」と「品質」の両方に前向きでいられる(趣味を仕事に近づけたい)

持田さんは、今後必要な人材として「作る人」だけでなく、「それを支える人」。例えばミシンの保守点検・調整ができる人の存在も挙げていました。

現場を支える仕事の幅も、確かにあると思います。

みんなが口をそろえた洋裁のやりがい。パーツが服になり、誰かの手元へ届く瞬間

社員のみなさんが共通して話していたやりがいは、とてもシンプル。

「個別に作られたパーツがひとつとなり、形になっていくこと」

それに加えて、

「自分が制作に携わった服を、芸能人がSNSの投稿でお知らせしていたり、TVで芸能人が着ているのを見かけたりすると、やっぱりうれしい。やりがいがありますね」

“自分の手が入ったものが、どこかの誰かの日常に入っていく”

ものづくりの仕事の良さは、そこに尽きるのかもしれませんね!

ここまで読んで「ちょっと気になる」と思ったら。最初の一歩を軽くする制度があります

今回、私がいちばん強く感じたのは、向き不向きの前に「現場の空気にふれる価値」が大きいということ。

WEBや動画だけでは、ミシンの音の密度も、段取りの細かさも、布のクセも分からない。不安は、分からないところに溜まりやすい・・・。

だからこそ、最初は「ちょっと体験して確かめる」が近道になると思うんです。

その“一歩目”を軽くしてくれる仕組みとして、島根県では手仕事における就労体験の支援事業「島根の職人育成事業(就労体験)」を展開中。

「島根の職人育成事業(就労体験)」について

どんな制度?

若年未就業者、または県内へのUIターンを検討する人に就労体験の機会を提供し、島根の職人技の担い手づくりにつなげていくことが目的。運用は島根県技能士会連合会が担います。

具体的な支援内容

  • 就労体験助成金:1ヶ月あたり120,000円(要件により支給額の区分あり)
    • 例:県内の父母または祖父母と同居する場合は1ヶ月あたり60,000円
       
  • 親子連れ助成金:1ヶ月1世帯あたり30,000円(中学生以下の子どもを養育しながら体験する場合の加算)
     
  • 就職準備金:60,000円(技能短期習得コースの体験者が体験終了後、受入先等へ就職した場合)
     
  • お試し体験助成金:宿泊費として 1泊あたり上限7,600円(食費除く)

対象の目安

  • 体験開始時に おおむね45歳未満(学生を除く)などの要件あり。
     
  • そのほか条件もあるため、詳細は要綱・制度ページをご確認ください。

申込み〜受入までの流れ(まずは相談から!)

  1. 就労体験を希望する方は、島根県技能士会連合会へ連絡(TEL:0852-23-1707
     
  2. 連合会が受入先と調整、面接を実施
     
  3. 体験者・受入者連名で事業計画書(兼助成申込)を提出
     
  4. 連合会・体験者・受入先で確認書を取り交わす
     
  5. 連合会から体験者・受入先に決定通知
     
  6. 就労体験開始

【まとめ】手仕事のリアルは、現場でこそ見える

ミシンを踏む足の力加減ひとつで、縫い目が変わる。布は、触ってみないと分からないクセがある。

分業で作られたパーツが、最後に一着の服として立ち上がる瞬間には、ちゃんとワクワクがある。

「ちょっと気になる」、「自分に合うか確かめたい」。その気持ちが芽生えたら、まずは一歩目から。

制度ページをのぞいてみるところから、始めてみませんか。

島根の職人育成事業(就労体験)の問合せ先

電 話:0852-23-1707(島根県技能士会連合会)
情 報:HP

※掲載の情報は、記事公開時点の内容です。
状況の変化、情報の変更などの場合がございますので、最新の情報は店舗・施設のHPやSNSを確認するか、直接お問い合わせください。

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この記事を書いた人
編集部いしやん

タウン情報ラズダ編集部

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島根・鳥取のタウン情報誌ラズダ編集部の現編集長。島根県松江市出身→浜田市→大阪→奈良→松江市在住。
喫茶店の冷えたおしぼりと、帽子が大好物な蛇年の年男。
日刊webラズダでは主にグルメ、ショップ、キッズ関係の記事を担当しています。あ、あとバツイチ&2児のシングルファーザーです。(←どうでもいい??)

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