会社員から漁師へ。島根で“自分の船を持つ”までを支えた制度とは
実際の声から知る島根の漁師支援制度。会社員が漁師になるまでのストーリー
「漁師になりたい」
そう思っても、そもそもどうしたら漁師になれるのか、分からない人は多いハズ。
加えて、漁の技術、船や道具、暮らす場所、収入のこと。知らないことが多すぎて、最初の一歩を踏み出すことすらできない人も。
そういった人たちに対して島根県では、沿岸自営漁業者を目指す人のための、相談・体験・研修・自立までを一貫してサポートする支える制度を用意。
今回は、今まさに研修を受けている人、夢を叶えて漁師になった人の声をもとに、島根で漁師になる道のりを紹介。島根で働きたい人、移住を考えている人にも知って欲しい制度です。
「独立して漁師をやりたい」。松江市出身の上手さんが踏み出した一歩【漁業研修】
松江市鹿島町御津地区で研修に励む、上手祐馬さん。
松江市中心部の出身で、以前は隠岐の島町のまき網船団で4年間働いていました。2024年に故郷へ戻り、一度は水産業から離れたものの、再び漁師への思いが大きくなります。
「魚がたくさん揚がった時の快感を忘れられず、また漁師をやりたいと思いました」
その思いを胸に、2025年4月から御津地区で研修をスタート。現在は2年間の研修の中で、いか釣りやはえ縄、落とし込み漁などを基礎から学んでいます。
好きだった仕事に、もう一度向き合う。その一歩を後押ししたのが、県や松江市への相談でした。
個人での独立は不安。相談で見えてきた漁師への道筋
漁師として独立するには、漁の技術だけでは足りません。漁船や漁具、資格、魚の売り方、日々の生活費など、現実的な準備も必要。
上手さんも、個人での独立には不安があったと話します。
そこで県や松江市へ相談。まず独立する前に、漁の技術を習う研修(漁具などの購入費や資格取得費の補助、月々の生活支援金)。さらに、独立する際には船舶購入費の支援や、5年間の自立給付金(計600万円)など、自立するためのしっかりとしたサポートがあることを知りました。
充実した制度があることで、不安がすべて消えるわけではありません。けれど、漁師になるまでの道筋が見えてくる。それは、挑戦する人にとって大きな後押しになります。
5人のレジェンド漁師がチームを組んで徹底指導
研修期間中、上手さんを指導するのは、御津地区のベテラン漁師5人でつくる指導者グループ。
メンバーそれぞれが得意とする漁法を、2〜3ヶ月ごとに交代で指導。漁や道具の使い方、仕掛けの工夫などを丁寧に伝えています。
背景にあるのは、漁師町を次の世代につなぎたいという思い。ひとつの漁法だけでなく、複数の漁法を身につけることが、地域で暮らし続けるためには大切です。
「師匠に負けないくらいの漁師になりたいですし、若い力を生かして地域を盛り上げ、少しでも恩返ししていきたい」。
漁師として働くこと。そして、地域の一員として暮らしていくこと。研修の日々は、その両方に向き合う時間でもあります。
会社員から漁師へ。研修を経て夢を叶えた中村さんの声
同じ御津地区には、研修を経て自立した先輩漁師もいます。
中村和宏さんは御津出身。専門学校を卒業後、松江市内のカーディーラーで働いていました。
漁村で育ち、小さい頃から釣りが好きだった中村さん。漁師への憧れを持ち続け、33歳の時に研修を始めます。2年間の研修を経て、2025年4月に自立しました。
現在は、イカ釣りやアマダイのはえ縄などにチャレンジ中。漁師の魅力は、頑張った分だけ収入につながること。そして、仕掛けを工夫しながら、いかに多くの魚を獲るか、魚との駆け引き。
もちろん、自然を相手にする仕事は大変。収入が安定しないことへの不安感もあります。
それでも中村さんは、研修で学んだ技術や給付金などの支援があることで、安心してチャレンジできると話します。
また、研修を通じ、地域に馴染めたことで、先輩漁師たちや町の人などが気にかけてくれること。それも、漁師として歩き始める人にとって心強い支えです。
島根で漁師を目指す人へ。相談・体験・研修・自立までの流れ
島根県は、沿岸自営漁業者を目指す人を全力でバックアップしてくれます。
沿岸自営漁業とは、沿岸で釣りや採介藻などを個人で営む漁業のこと。まき網をはじめとする企業的漁業ほど大きくありませんが、漁村を支える重要な産業です。
島根県では、地域に根差して漁師を目指す人に向け、相談、漁礁体験、研修、自立までを一貫してポート!
まずは相談
沿岸自営漁業に興味がある人向けのワンストップ相談窓口があります。オンライン相談や、休日・夜間の相談にも対応。
次に現地を知る
体験乗船会など、操業や先輩漁師の話に触れる機会も企画。開催状況は、島根県の公式ページで確認できます。
そして研修へ
ベテラン漁師のもとで2年間、漁業技術を研修。教材費や資格取得費、生活支援金などの支援も用意されています。
研修後は自立
漁船・漁具の取得費補助や給付金など、独立後のスタートを支える制度も。
漁師になることは、仕事を変えるだけではありません。暮らす場所、生活リズム、地域との関わり方も変わる選択。
だからこそ、まずは知ることから。相談し、現地を見て、先輩漁師の声にふれることが大切です。
まずは相談から。島根の海で働く選択肢を考えてみませんか?
「島根で漁師になれるだろうか」
「未経験でも研修を受けられるだろうか」
「移住も含めて、どんな準備が必要だろう」
ちょっとした疑問があれば、迷わず相談してみて。
《海の近くで働く。自分の手で漁をして、地域で暮らす》
島根には、そんな働き方を目指す人を支える制度があります。
いきなり決めなくても大丈夫。まずは相談して、知ることから。
島根の海で漁師になってみませんか?
※掲載の情報は、記事公開時点の内容です。
状況の変化、情報の変更などの場合がございますので、最新の情報は店舗・施設のHPやSNSを確認するか、直接お問い合わせください。
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この記事を書いた人
タウン情報ラズダ編集部
編集部いしやん
島根・鳥取のタウン情報誌ラズダ編集部の現編集長。島根県松江市出身→浜田市→大阪→奈良→松江市在住。
喫茶店の冷えたおしぼりと、帽子が大好物な蛇年の年男。
日刊webラズダでは主にグルメ、ショップ、キッズ関係の記事を担当しています。あ、あとバツイチ&2児のシングルファーザーです。(←どうでもいい??)
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