子どもに「お金のこと」をどう伝える?借金が身近になる時代に考えたいこと

レインディア藤原さん
レインディア藤原さん

ローン、奨学金、投資。変わり続けるお金の仕組みと、これからの子どもたち

■藤原さんの育児学Vol.151■

みなさんこんにちは。レインディアの藤原です。

今年は、時代の変化を強く感じます。

小学生の娘の宿題がタブレットになり、AIを使うことが日常になり、インスタが広く使われ、車検の代車が電気自動車になり、インフレも進む。生活の常識が、この1年でも大きく変わったように感じます。

コロナ禍以降、元気が感じられなかった若者や子どもたちも、今年は明るく元気に行動する姿を多く見かけます。

同時に、自分が老害となりつつあるなという寂しさも感じていますが(笑)。

そんな時代の変化もあってか、この夏、私の元に寄せられた相談は育児関連が3割。残りの7割は、経営や起業、イベント企画などについてでした。

それも、ほとんどが女性!

今までは「藤原さんのお店で働きたいです」という声が多かったのですが、自分で何かを興そうという若い女性が増えていることには驚きます。

今回のコラムでは、こうした世の中の変化を入り口に、これから子どもたちが向き合っていく「お金」について、私なりに考えてみたいと思います。

みなさんは「借金」をしていますか?

先日、私がアドバイザーとして参加しているコーセリの勉強会で、借金の話をさせていただきました。

金利上昇やイラン情勢など、様々な環境変化の中で住宅価格も上昇。さらに金利も上がり、家を建てる人生最大ともいえる借金の形も変わってきています。

地方都市の山陰でも、大手メーカーでは坪150万円というケースも聞くように。

私が若いころと比べると3倍以上の価格。小さな会社を経営する私が動かすお金より、若い夫婦が住宅購入で動かすお金の方が大きい、ということも珍しくなくなってきました。

このように書くと不安になりますが、一方で、借金や投資は社会や経済の成長と深く関わってきた仕組みでもあります。

発展途上国は海外からの投資を受けて成長することがありますし、企業も利益が出ていても、さらなる事業のために融資を受けます。

個人の借金についても、その歴史を見ていくと、時代の変化が表れているように思います。

お金に対する価値観も時代とともに変わってきた

水戸黄門などの時代劇では、「越後屋、そちも悪じゃのう」というフレーズが思い出されます。江戸時代には、お金や商いを卑しいものと見る価値観もありました。

有名な新渡戸稲造の著書「武士道」を読んでいると、武士の時代の終焉とともに、日本人のお金に対する視点も変化していったのだと私は感じます。

この本にはヨーロッパの経済学者の名前も登場し、時代が資本主義へと移り変わっていく様子を読み取ることができます。

私より年配の公認会計士と酒を飲みながら話をしていると、「戦後は、愛人を何人もつくるような欲深い社長に借金をさせていた」という逸話が出てくることがあります。

そういう人間の方が、借金を返すために働くと思われていたのだとか。

半分冗談としても、渋沢栄一が産業を育てるために銀行の設立に関わり、お金を社会へ循環させる仕組みづくりに力を注いだことは、みなさんもご存知かもしれませんね。

親から子へ事業を継承していた時代から、職人を育て、社員を教育し、経営者や企業の力を見ながら融資する時代へ。

さらに、日本企業が海外へと展開していくようになると、取り扱う金額も桁違いになっていきました。

経営者にも国際感覚が求められ、身内だけの伝承教育では戦いにくい時代になります。

企業を見る視点も、これまでの実績だけではなく、これからどこへ挑戦していくのかという“将来性”へ広がっていったのだと思います。

私が20代で起業したころにも変化があった

私が会社を興したころは「異業種参入」、「起業支援」といった言葉をよく聞くようになった時代。本業とは違う業界へチャレンジする企業や、新しく起業する個人にも融資の可能性が広がっていました。

つまり、専門知識や長年の経験がない業界へ進む場合でも、事業計画や将来性を見てもらえるようになってきたということ。

私も、それまでの人生でまったく経験のないインテリア販売や輸入業で会社を興しましたが、銀行から融資を受けられました。当時、年配の経営者たちからは、「20代の若者に銀行がお金を貸してくれるなんて、いい時代になったものだ」とよく言われたものです。

一方で、私が起業した頃は、今と比べれば女性が起業することへの社会的なハードルも高かったように感じます。

その後、女性の社会進出が進み、働き方も大きく変化しました。

そして今、私のところへ相談に来る若い女性たちを見ていると、自分で事業を興し、自分で稼ごうとする人が確実に増えているのだと実感。

借金やローンは、より身近なものになった

家を買う時のペアローン、自動車の残価設定ローン、美容医療などに利用されるローン。

事業に限らず、お金を借りたり、分割して支払ったりする仕組みは、性別や年齢を問わず身近になってきました。当たり前ですが、銀行や投資家は、返済できる可能性や将来性を見ながらお金を貸します。

そうすると、「今後はどうなるのか?」が気になりますよね。

これからは、お金を借りたり、投資したりする仕組みに、より若いうちからふれる機会が増えていくのではないでしょうか。

成年年齢は18歳となり、18歳になれば自分の判断でクレジットカードを作ったり、ローンなどの契約をしたりできるように。奨学金を利用して進学する人もいます。

さらに2027年からは、NISAのつみたて投資枠を0~17歳にも広げる制度改正が予定。スマホの分割払いなど、本人が強く意識しないまま、若いうちから信用取引の仕組みにふれるケースもあるでしょう。

もし将来、こうした金融サービスにふれる年齢がさらに下がっていくとしたら、子どもたちに何を教える必要があるでしょうか?

塾や習い事、進学、資産形成など、子どもの将来へ先にお金を使う機会はすでにたくさんあります。

だからこそ、子どものころから「お金をどう使うのか」を考えることは、ますます大切になってくるのだと思います。

「借金=悪」と決めつける前に仕組みを知る

国も企業も個人も、様々な形で借金を利用しています。

ただし、同じ借金でも、将来につながる投資になるのか、返済に苦しむ浪費になるのかで、その意味は大きく変わります。

「お金の教育」は、特に地方ではどこかネガティブなイメージを持たれたり、話題にすること自体を敬遠されたりすることもあるように感じます。

しかし、世の中の発展には、融資や投資といった「先にお金を動かす仕組み」が大きく関わってきました。

AIやロボットなどが進化しているように、お金を借りる仕組み、投資する仕組みも時代とともに変化しています。

今回は“借金”という、少しドキッとする、耳障りの良くない言葉を取り上げました。

いつの時代も、変化についていくのは大変なもの。だからこそ、知らないものをただ怖がるのではなく、まずは仕組みを知ろうとする意識を持ちたいですね。

そして、その姿勢を子どもたちにも伝えていくことが、これからの「お金の教育」の第一歩になるのかもしれません。

※借金を勧めているわけではありませんので念のため。

★プチお知らせ

今春から、育児の話題をお届けするネットラジオを始めました。PodcastやAmazon Musicなどで「コーセリラジオ」と検索して、聞いてみてくださいね。

「子育てお悩み相談」受付中です

みなさまも何か聞いてみたい事などありましたら、お気軽にお悩み相談フォームにお寄せください。ただ、ここのところ方々から相談が数多く寄せられており、お返事にお時間をいただく場合があります事、ご了承ください。

-------

下記相談フォームより、匿名での無料相談も受付中。鳥取県外の方のご相談も大丈夫です。

なお、メールでの回答となりますので、私からの回答が迷惑メールフォルダに入っている場合があります。

また、順番に対応していますが、全国から相談が寄せられていますので、現在、お返事までに3~5日間程度の日数がかかる事をあらかじめご了承ください。

※掲載の情報は、記事公開時点の内容です。
状況の変化、情報の変更などの場合がございますので、最新の情報は店舗・施設のHPやSNSを確認するか、直接お問い合わせください。

★あなたからの情報提供お待ちしてます!

■ シェアする!
このエントリーをはてなブックマークに追加

鳥取・島根のお仕事情報

この記事を書いた人
レインディア藤原さん

Reindeer 代表取締役社長

レインディア藤原さん

北欧インテリアショップ『reindeer』、木のおもちゃのレンタルプログラム「もくレン」などを運営。中海テレビ「県議熱中討論」コーディネーター、よなご宇沢会幹事も務める。幼稚園や保育園、市町村の子育て支援センターなどで育児講演を行う。乳幼児の育児相談から不登校問題もお気軽にどうぞ! いつも作りかけのお店はまさに秘密基地、まずは自分でするのが藤原流であり、北欧から学んだこと。お喋り大好きな二児の父です。

最近では、米子市岡成で子育て支援プロジェクト『コーセリ』の代表理事を務めています。私は子どもが生まれる前の妊娠期から、子育てや子どもの発達について学びながら準備をしていくことが、子育ての不安を減らすうえで大切と考えています。そのような視点から、子育て世代の親を対象としたセミナーを企画・開催しています。また、子どもと一緒に参加できる体験教室やイベントなども行っています。

【レインディア藤原さんの過去記事一覧はこちら】

コーセリプロジェクトHP

鳥取・島根のお仕事情報