その後の親子関係が決まる?小学5年生は親の思いを伝える最大の好機だった!?【藤原さんの育児学Vol.23】

レインディア藤原さん
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心も体も大人びてくる小学校5年生の特性とは?

最近民放のテレビ番組で、小学5年生より賢いかをクイズにした番組があります。私も時々見ますが、中々どうして難しい問題を子どもたちが解いていておもしろいです。

うちの息子も小学5年生となり、一緒に番組を見ていると、次々答えを当てていて頼もしいと感じる一方、「どこでそんな知識を得たのか?」と思うような事も……。

今回のコラムは、子どもたちが「教えられる」段階から「自ら学ぶ」という自立の段階へ移る10~11才の小学5年生のお話です。

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「決めつけ」から始まる負の感情……。その寄り添い方とは?

まずは小学5年生の保護者の皆さまへ質問です、親子の会話が減ってきていませんか?

ママが積極的に質問しても、なんとなくつれない返事、「聞かれたらちゃんと答える!」などと親の方が切れたりしてませんよね?(笑)

この年齢から出てくる特徴的な行動が「決めつけ」と言われます。

例えば、1日の思い出を聞いても、「ママに言っても聞くだけで何も意味ないじゃん」とか「先生に相談しても解決できないし」など、過去の経験から大人の行動を推測し、行動する前から後に起こる事を決めつけてしまうような行動が出てきます。

「とりあえず大人の前では勉強さえしていれば怒らないし」、「いくら勉強したって成績なんか上がらないし」と、マイナス的な思考も生まれてきます。

しかし、それが大人に近づくことだと見守ってばかりではいけません。

なぜなら、小学5年生にもなると、子どもたちの中には自殺を選ぶ子が出てくるからです。

私が日本社会の一番の問題と考える「子どもの自殺」。

治安も良く、学校設備も豊かで、食べ物や疫病にも困らない我が国日本で、なぜこの問題が無くならないのでしょう?

「決めつけ」は、大人や社会へ向けられた物では無く、友人関係や兄弟、ペットやアイドルなどへの価値観も決めていきます。

それらが、イジメや差別に繋がり、子どもたちから逃げ場を無くしてしまうと考えられます。

そうならないためには、「決めつけ」を進行させないように「物事には違う側面がある」という事を教えていく必要があります。

実は今こそ親としてのメッセージを伝えられる千載一遇の大チャンス!

それでは保護者は、子どもたちとどう接していけばいいのでしょうか?

小学5年生頃には、女の子なら初潮を迎えたり、男の子でも恋をしたりと、ホルモンバランスが変化してきます。何となくやる気が起きなかったり、逆にいろいろな事をポンポンとリズミカルにやってみたくなったりと、ひと月の中でもリズムが出てくるでしょう。

当然それは、子どもたちが発する言葉や態度に表れてきます。

親に頼りたい時もあれば、そっと一人にして欲しい時間も増えてくるでしょう。ママとパパで態度を変えたり、相談の内容を変えてきますし、言葉ではなく態度で示すことも始まってきます。コラムを書きながら、ふと私自身の若い頃を思い返すと、すでに反抗期に入っていて、親子ゲンカをしていた記憶があります(笑)。

子ども扱いされるのもイヤ、大人扱いされるのもイヤ、周りから「決めつけられる」事がイヤになり始めるのが小学5年生頃です。そういった気持ちに波がある年齢なので、その波の変化を見て、上手く付き合うことが大切です。

そして、この後には思春期と呼ばれている第二反抗期を迎えます。

魔の2才児やイヤイヤ期と呼ばれた2才頃の第一反抗期、それの第二弾と言えば大変さが想像できると思います。反抗期に入ってしまうと、親の言う事を聞かなくなってくるので、その前の11才頃が親子関係を決める時期とも言えます。

お父さん、お母さんの人生経験で、子どもに伝えたい事があったら、今がそのチャンスですよ。

仕事のこと、恋愛のこと、何でもいいので、自分たちの歩んできた人生を子どもたちへ話してあげましょう。そうすることで、子どもたちは世界を小さな所だと決めつけなくなります。しかし逆に、この段階で親子の信頼関係を築けないと、一生取り返しが付かないかもしれません。

老後のために貯蓄や保険に入るより、今の日常に投資して欲しい、それが小学5年生の段階です。

さて、次回はいよいよ小学校最高学年の6年生、こうやってコラムに纏めてみると、子どもって本当複雑ですね。

次回もお楽しみに、今回もお読みいただきありがとうございました。

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この記事を書いた人
レインディア藤原さん

Reindeer 代表取締役社長

レインディア藤原さん

北欧インテリアショップ『reindeer』、木のおもちゃのレンタルプログラム「もくレン」などを運営。中海テレビ「県議熱中討論」コーディネーター、よなご宇沢会幹事も務める。幼稚園や保育園、市町村の子育て支援センターなどで育児講演を行う。乳幼児の育児相談から不登校問題もお気軽にどうぞ! いつも作りかけのお店はまさに秘密基地、まずは自分でするのが藤原流であり、北欧から学んだこと。お喋り大好きな二児の父です。

最近では、米子市岡成で子育て支援プロジェクト『コーセリ』の代表理事を務めています。私は子どもが生まれる前の妊娠期から、子育てや子どもの発達について学びながら準備をしていくことが、子育ての不安を減らすうえで大切と考えています。そのような視点から、子育て世代の親を対象としたセミナーを企画・開催しています。また、子どもと一緒に参加できる体験教室やイベントなども行っています。

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