育児相談が激増する「1才10ヶ月」前後。その特徴と成長を伸ばす対応方法とは?


育児のお悩みが増える1才10ヶ月ごろの子どもの特徴を解説
みなさんこんにちは。レインディアの藤原です。
今回のコラムのテーマは《1才10ヶ月》。
私の育児メソッドには、いくつか重要な分岐点となる月齢があります。そのうち、1才10ヶ月も大きな分岐点のひとつ。
そして、実は1才前後の次に育児相談が増える段階でもあります。
生後1才10ヶ月ごろがどのような発達段階なのかを、一つひとつ解説していきますので、参考にしてみてくださいね。
1才10ヶ月ごろの発達状況の特徴とは?
道具を使おうとする行動が増える
例えば、食事中にフォークで机の上をコツコツと叩いたり、ハンマーや棒で家の物をガンガン叩いたり。道具を何かに当てる行動がスタート。
そうすると、お母さんとしては「危ないから!」、「物が壊れるから!」と一日中注意していて、叱ってばかりいる自分に自己嫌悪に。
しかし実はこれ、乱暴になったワケではなく、道具を壁に当てた刺激を手が学ぶための大切な行動なんです。
道具が何かにふれると、道具を通して手に振動が届き、それを繰り返す事で指の延長として、道具の先端までの距離を学習していくんですね。
私は1才10ヶ月ごろになったら、ハサミの使用を提案しています。
利き手でハサミの先端に集中し、反対の手で紙を持って、ほんの1センチほどでも紙を切る事ができればOK。
後は、破って紙吹雪を作ってみたり、ハサミの向きを変える事を教えたり。指先への感覚を鍛えます。一般的に、保育園などでハサミを使うのは4才ごろ。ですが、2才前なら指を切るほどの握力は、多くの子ではまだありませんし、ゆっくりと練習できます。
ハサミ以外には、クレヨンでのお絵描き、フォークでの食事、魚釣りゲームなどなど。道具を使う事が楽しく、遊びの中に自然に取り入れているでしょう。
食事中に「食べ物で遊ぶ」行動が増えていく
ママからすると、ストレスが溜まる行動だと思いますが、もちろん成長に必要な意味のある行動。
形が変わる物や、温度のある物を理解する目的があります。
ご飯をテーブルで潰して遊んだり、バナナを握って潰したり、コップの水を移し替えたりとやりたい放題。
親としては、早く食事を食べ終えて欲しいところですが、この経験が指先の微妙な力加減などにも繋がってきます。
積み木をそっと積み重ねたり、動物にそっと触ったり。粘土遊び、水遊びも始まってくるでしょう。我が家では、かき氷器で削った氷を、お風呂に持って行って遊んだり、小麦粉粘土を作って遊んだりさせていました。
この段階では、テーブル周りがグチャグチャになってもいいように、テーブルの上にマットを敷く、拭き取りやすいように布製品を子どもの席周辺から撤去しておく、そういった整備ができると◎。
「投げる」行動が増える
1才過ぎには前に投げようとしても、手が反応するのが脳の指令より一歩遅れるため、物は足下や後ろに落ちてしまいます。
でも1才半、そして1才10ヶ月にもなると、手首や肘、肩と各関節を連携して動かせるように。上手に前に物を投げられるようになってきます。
脳と手の協調が進んだ証拠なので、投げてもいい物、例えば新聞紙を丸め、親子で投げ合って遊んでみましょう。
【まとめ】行動の意図を知り環境整備すれば成長意欲がアップ!
これらの行いは、普段、子育てに参加していない周囲の人間から見ると、「躾がなっていない!」、「誰に似たのか乱暴だ!」などと、嫌味の原因になってしまう事も。
それゆえ、子どもが何もふれないように部屋から物をなくしたり、食事も親が食べさせたり。子どもの発達を知らない人の無責任な言葉によって、子どもの成長が抑止されてしまう場面に繋がる事もあります。
「子どもは放って置いても育つ」と話す人がいますが、環境を整備すれば、子どもはより成長意欲を発揮して、伸びていきます。
過保護にならないように注意したいのが1才10ヶ月、という事ですね。
【本当にあった相談事例】保育園で走り回って注意を受けた子ども。どうしたらいい?
では、ここからは、過去に寄せられた育児相談をご紹介。
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相談内容
保育園で活発に走り回っているみたいで、保育園の先生から家でちゃんと躾をしてください!と注意を受けたのですが、どう躾をすれば良いですか?
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私の返答は「そもそも1才10ヶ月の子は走り回るのが当たり前。この月齢では躾などする必要はないですよ」。
保育園の先生には、「家で厳しく叱りました」と話を合わせて伝えておけば充分。家庭での行動まで指示されて、ママが自信を失ってはいけませんよとも。
躾は、社会性が育つ2才2ヶ月くらいから理解できるようにんります。ですので、今はそのままを受け入れてあげましょうと伝えました。
同じ月齢の子のほかのお母さんからは、以下のような相談も。
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相談内容
子どもを抱っこしている時、私(母親)の肩を噛むので、痛くて止めさせたいのですが何か方法はありませんか?
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これは、ママを好きという愛情表現もあるのでしょうけれど、同時に新しい感情が育ってきているサインのひとつ。
個人差はかなりありますが、2才前後には、イヤイヤ期と呼ばれる第一反抗期に突入。反抗期と言葉では書きますが、自立期であり、自分で物事を決めたいという意識が高まる段階になります。
今までは、YesかNoの反応しかなかった感情が、これからはより繊細に育ってきて、相手の気持ちも理解しようという段階に。肩を噛むのも、相手の反応を学ぶ意味があるでしょう。
また、堰を切ったようにお喋りが上手になる「言葉の爆発期」にも入ります。口を動かしたり唾液を出したりと、口やのどを鍛えて、お喋り能力を上げる行動として、肩を噛んでいるかもしれません。
だからといって、痛いのをガマンするのではなく、対処法としては噛まれそうになったら、コチョコチョして脳をリセットしてみてください。止めさせたい行動をした時、叱ったり叩いたりしても意味はありません。
子どもにストレスを与えるのではなく、気持ちをほかの楽しい事に向かせる事がコツです。
1才10ヶ月ごろの発達に関する今回のコラム、いかがでしたでしょうか?
育児や仕事でてんやわんやなころである一方、子どもが大きく育ってしまった親から見れば、一番かわいい時。
育児をちょっと立ち止まって、今の月齢のかわいさをしっかり心に、目に焼き付けて欲しいと思います。
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この記事を書いた人

Reindeer 代表取締役社長
レインディア藤原さん
北欧インテリアショップ『reindeer』、木のおもちゃのレンタルプログラム「もくレン」などを運営。中海テレビ「県議熱中討論」コーディネーター、よなご宇沢会幹事も務める。幼稚園や保育園、市町村の子育て支援センターなどで育児講演を行う。乳幼児の育児相談から不登校問題もお気軽にどうぞ! いつも作りかけのお店はまさに秘密基地、まずは自分でするのが藤原流であり、北欧から学んだこと。お喋り大好きな二児の父です。
最近では、米子市岡成で子育て支援プロジェクト『コーセリ』の代表理事を務めています。私は子どもが生まれる前の妊娠期から、子育てや子どもの発達について学びながら準備をしていくことが、子育ての不安を減らすうえで大切と考えています。そのような視点から、子育て世代の親を対象としたセミナーを企画・開催しています。また、子どもと一緒に参加できる体験教室やイベントなども行っています。
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