子育てのイライラ、自己嫌悪。その理由と解決策は何がある?【本当にあった育児相談Q&A】


産後の子育て中のイライラ、原因は何?どうしたらいい?
みなさんこんにちは。レインディアの藤原です。
新年度が始まり早1ヶ月。今年はカレンダーの予定がビッシリと詰まっていて、このコラムを書く時間が夜中になっています。
みなさんからいただく育児相談も、少し返信に時間をいただくかもしれませんが、順番に返答していますのでご了承くださいね。
今回のコラムも、お悩み投稿フォームからいただいた実例をご紹介。
子育てにイライラが増えて悩まれているママからのご相談です。具体的な赤ちゃんの行動・困りごとがあるワケではなく、“イライラが募っている”状況。
赤ちゃんの夜泣きに困っている!食事を食べてくれない!発語が遅い!などであれば、過去コラムでもしばしば取り上げていますが、今回は果たしてどのように私は回答したのか?
みなさんも、自分ならどう答えるかな?と想像しながら読んでみてくださいね。
〜相談内容〜
(相談者:生後8ヶ月・女の子の保護者さんから)
ずっと楽しかったはずの子育てに対してイライラすることが増え、子どもにイライラをぶつけてしまうような自分が本当に嫌で仕方ありません。
そのうえ、夫婦関係も上手くいっておらず、誰に相談すればいいのかも、どうしたらいいのかも分かりません。
かといって夫が嫌いだとか、離婚したいとかはありません。子どももパパのことが好きそうですし、家族みんなで楽しく過ごしたいと思っています。その反面、家事育児をひとりでやってるのに加え、最近では金銭面でも自分の負担が増加。自分がバタバタといろんなことをやってる横で、スマホをいじっていたりすると、“自分ばっかり”という気持ちが強くなっていきます。
自分自身、趣味や友達を大事にしたい派で、何でも制限されるのが嫌なタイプ。そのため、人のことを縛りたくないと思い、夫が金銭的に厳しいからと、こちらが生活費の負担を増やす中で、夫が競馬をやっている状況でも、趣味を完全にやめろというのも気が引け、私は育休中ですが夫は仕事を頑張ってると思うと、少しの息抜きくらいはさせてあげたい。けれど、それも段々と快く楽しんでねと、言えなくなってしまっています。
また、最近では外での男女関係に疑念を持つことも。思い込みとかでモヤモヤするのも良くないと思い、不安であることを相談しました。けれど、特に状況が変わるわけでもなく、ふれることすら気負いして、不安を抱えたままでいます。
一番の悩みは子育てにイライラしてしまうこと。ですが、原因が子育てだけにあるのではないことは、自分でも容易に想像がつきます。
始めのころの夜泣きも、今しかないことだし、何よりも可愛いしと、あんなに楽しかったはずの子育て。今では、小さなことでイライラするようになってしまったことが辛いです。
ほかのママさんたちの話を聞いてても、我が子は比較的夜もまとめて寝てくれるし、ごはんも食べてくれるし、笑ってくれる育てやすい子にも関わらず、イラついてしまうなんて親として酷いよな、って思ってしまいます。
私自身が親から暴力を受けていたこともあり、絶対そんな風にはなりたくない!と思っています。しかし、こんなことでイライラするようじゃこの先不安だし、暴力を受けて育った子は、自分の家庭環境にも連鎖してしまうことが多いとも聞きます。自分がそうなってしまわないかと、不安なことばかり考えてしまいます。
夫も非協力的というワケけではなく、慣れていないからできないというのはありますが、普通にお願いすればやろうとはしてくれると思います。
けど、口うるさく言ったらまた雰囲気が悪くなって、嫌われて離れていくんじゃないか。スムーズにできない自分の能力不足が悪いのか、と考えてしまうと素直に助けを求められず、いい親・いい嫁でいなければと、いい顔ばかりしようとして、ひとりで抱え込んでの負のループ状態。
このままでは限界を迎えて悪い方向にいつしか爆発してしまうのではないかと思い、どうにかしなきゃと調べていたところ、こちらを見つけたので吐き出させていただいた次第です。
イライラしてしまう理由と、その解決策・対応策
イライラ最大の理由は「ホルモンの変化」
イライラする感情に苦労されているようですね。
今のイライラの最大の原因は、お子さんでも夫でもなく、《母体が出産前の身体に戻っていく段階のホルモンの変化》があるのではないかと感じます。
相談者さんの今の時期は、出産で止まっていた月経が復活するタイミング。産後8ヶ月には約70~80%のお母さんの月経が再開すると言われ、そのホルモン変化により、イライラが増幅してきます。
妊娠や出産のホルモン変化により、身近な大切な人にこそイライラする現象が起こります。
娘や夫は、世界で一番大切な存在だと頭では分かっていても、なぜかイライラしてしまう。
自分の身体の中で、ホルモン変化が徐々に行われるので、当人は気付きにくく、原因を子どもや夫に求めてしまう面もあるのではないでしょうか?
妊娠前は、生理痛など生理周期の不調はあまりない体質でしたか?
妊娠初期、つわりは辛かったですか?それともあまりなかったですか?
つわりが辛かった方は逆に産後を楽に感じ、つわりが平気だったママが産後に身も心もボロボロ・・・というお話を聞く事も。
(※後の相談者さんからの返答で、「生理痛やPMSなどはとても軽い方。基本的に生活へ影響が出ることはないタイプで、産後の生理も2ヶ月くらいできていたため、ホルモンバランスが原因とは考えていませんでした」との事)
赤ちゃんの体重は日々増えていくので、出産で骨格から変わっている母体は、抱っこするだけでもかなりの負担。
そのうえで、さらに離乳食の回数が増え、比例してオムツ交換の回数も増え、ニオイや量も増えますよね。細かなストレスが溜まる一方です。
今の時期、離乳食も大切ですが、まずはお母さんがおいしいモノを食べる、栄養バランスや運動など、健康な身体作りを意識して欲しいと思います
イライラの要因になり得る生後8ヶ月ごろの夜泣きの特徴
今は赤ちゃんの成長が激しい時期。例えば記憶は、今まで数時間前の事しか思い出さないぐらいの記憶力だったのが、生後8ヶ月ごろには一日の出来事を覚えて、寝ている時に整理、翌日にまで持ち越すくらいまで成長してきます。
このころに増えてくるのが「夜泣き」。娘さんは夜泣きがありますか?
昼間の行動を寝ている時に整理するため、これからは寝相が悪くなっていきます。しかし、それは昼間の再現運動を身体がしているから。
もし夜泣きが出ていたら、寝返りなど動き回りやすい環境にしてあげて、呼吸を止めてしまう危険のあるようなぬいぐるみ、柔らかい枕、体温調節を阻む重い布団は置かないようにしてあげましょう。
平均的には生後10ヶ月くらいですが、女の子では成長が早く、この月齢から“人見知り”が始まるお子さんも。
人見知りは、お母さんの顔を覚えられるほどの視力や記憶力の発達を表します。一方、お母さん以外の抱っこをとても嫌がるので、お母さんの負担は増加。
まだ出ていないようでしたら、これからの月齢で人見知りや後追いが出てくるので、心の準備をしておきましょう。
一瞬でもママが見えないと泣くので大変・・・。けれど、ここでしっかりママの姿を見せていると、ママのマネをしてママの表情を見て、ママを中心として成長し始めるので後が楽です。
最近は保育園に預ける時間が長すぎるために、後追い期に母親を覚えず、結果、親子関係が構築しにくい子が増えています。
人間の記憶は3才半ごろに一度リセット
親からの暴力を受けて育ったとの事。それは本当に辛い経験でしたね。
もしかすると、遺伝的にホルモンバランスが崩れやすい事があるかもしれません。
親御さんも当時は、育児をどうしていいか分からず、ストレスが暴力になったのかもしれません。ただ、人間の記憶は3才半ごろにリセットするので、1才や2才のころに暴力を受けていたかどうかは分かりません。
心の傷は中々癒やせる物ではありませんが、かといって自分が娘に暴力を振るうのではないかと、考えすぎるのも良くないと思います。
文面からして、相談者さんは周りの人の事をちゃんと考えられる人だと推察できますし、ちゃんと育児できる方だと感じました。自分を信じてあげましょう!
育児に関わるお金の問題について
私は、借金してでも育児をした方が良いという考えの人間です。
小さい時の育児は確かに大変。ですが、すぐに育児をした者にしか知り得ない、大きな幸せ、大きな感動が得られるようになってきますよ。
今の時代は、あまり育児の幸せをSNSで発信しにくいですが、幸せな人は人にそれをアピールする必要はないですからね。
たくさんのお金を子どもや家族に使って、労力も多くて不平等に感じるかもしれません。けれど、自分自身は最大限本気で生きていると自負できますよね。
お金で解決できるのであれば安い物ではないですか?
命や娘の幸せそうな笑顔は、お金では買えませんよね。
夫に対して感じるイライラの要因
一方、夫に対してのイライラは、実際に心ない行動や、「親(夫)としてどうなの?」って感じる行動がありますね。
まず、外で働く父親は、子どもの成長速度がとても早いことを知りません。
赤ちゃんの成長は昨日と今日だけでも、出来る事が発展するくらい早いですよね。でも、家にいる時間が少ない夫は、犬や猫と同じような「放っておけば育ってる」くらいにしか考えていないのかも。
一瞬でも目を離せば、頭を打ったり、落ちている物を口に入れて窒息したり。成長が早い分、目を離せない事は、きっと分かっていないと思います。
赤ちゃんから目を離した瞬間に、どれだけの命の危険があるのか?
キッズデザイン賞という制度がありますが、この賞の誕生は、子どもが亡くなる理由の一番が家庭内の事故である事から、家庭内の危険を減らす目的で創設されました。
夫が外で遊ぶのは大目に見ても、家庭内で赤ちゃんから目をそらすような行動は、絶対にしないで欲しいと伝えた方が良いと思いますよ。
赤ちゃんにとってもっとも大切なママという存在
これから、ハイハイしたり、発語があったり、笑顔が増えたり。コミュニケーションが取れるようになっていきます。どんどん可愛さが爆発していくので、もうちょっとの辛抱です。
人生で初めて命を育んでいるのですから、感情が乱れたり、簡単にいかなかったりするのも当然。
でも、赤ちゃんのすべてはママの存在なのです。ママがいれば、ママに愛されていたらそれだけで良いんです。しっかり愛情を注いであげてください。
もし、それでもイライラが収まらないようであれば、ホルモンをコントロールする薬の処方も考えてもいいかもしれません。この辺りは、産婦人科医にご相談いただければと思います。
ではでは、幸せな日々をお過ごしください。
今回のご相談、最初はよくある内容かなと感じたのですが、子どもや夫への強い不満などはなく、ご自身でも原因が分からない雰囲気でしたので、内面的な事を推察していきました。
妊娠すると、周りから性格が変わったと指摘される、味覚や趣味嗜好も大きく変わった、なんて話はしばしば聞きますよね。
その変化は、1年も2年も続く事があったり、逆にスーッとある日冷静に戻ったり。
子育て中の女性芸能人が不倫問題やトラブルで騒がれ、何年かした後に「あのころの自分は変だった」などとコメントした記事を読むと、私はホルモンの変化が悪さをしたかなと感じてしまいます。
現代社会は、人のミスを許さない風潮ですが、世の中の多くの不愉快な問題にホルモンバランスの変化が影響しているかもしれませんね。
遺伝子の解明が進んできている現代、ホルモンの影響も解明していくことが予想されます。
お母さんが、心も体も余裕をもって育児を楽しめるような世の中にしていきたいですね。
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鳥取・島根のお仕事情報
この記事を書いた人

Reindeer 代表取締役社長
レインディア藤原さん
北欧インテリアショップ『reindeer』、木のおもちゃのレンタルプログラム「もくレン」などを運営。中海テレビ「県議熱中討論」コーディネーター、よなご宇沢会幹事も務める。幼稚園や保育園、市町村の子育て支援センターなどで育児講演を行う。乳幼児の育児相談から不登校問題もお気軽にどうぞ! いつも作りかけのお店はまさに秘密基地、まずは自分でするのが藤原流であり、北欧から学んだこと。お喋り大好きな二児の父です。
最近では、米子市岡成で子育て支援プロジェクト『コーセリ』の代表理事を務めています。私は子どもが生まれる前の妊娠期から、子育てや子どもの発達について学びながら準備をしていくことが、子育ての不安を減らすうえで大切と考えています。そのような視点から、子育て世代の親を対象としたセミナーを企画・開催しています。また、子どもと一緒に参加できる体験教室やイベントなども行っています。
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